『演劇と教育』(第706号)

かなり前ですが、日本演劇教育連盟編集の機関誌、『演劇と教育』の第706号(2018年11+12月号、晩成書房)を、読みました。

特集のテーマは、「表現-子どもが輝くとき 2018全国演劇教育研究集会」。

まず、全劇研の講座というのは、「授業ですぐに役立つもの」と「自分で楽しめるもの」の2つに大別できるのだなと、あらためて思いました。

前者は、「演劇と教育から考える道徳教育」や「英語と遊ぼう」などが当てはまります。後者は、「TAP」や「『大声の音楽』義太夫をやって元気になりましょう!」などが当てはまります。

次に、山崎伊知郎の「げきづくり版『しくじり先生』④-部員の気持ちと顧問の指導」の文章は、経験にもとづいていて、印象に残りました。

それから、釜堀茂の「子どもの心に種をまく 部隊アート工房・げき列車『地域での演劇教育』15年の歩み」も、ライフヒストリーのようで、興味深かったです。

『演劇と教育』(第705号)

かなり前ですが、日本演劇教育連盟編集の機関誌、『演劇と教育』の第705号(2018年9+10月号、晩成書房)を、読みました。

特集のテーマは、「笑いの起きる劇っていいね-共感を生む劇づくり」。

田代卓の論考、「笑わせて泣かせる劇づくり-その手段と有効性」は、豊富な実践にもとづいたもので、説得力がありました。

大嶋昭彦の実践、「笑いのある劇-劇づくりの実際」も、『演劇と教育』らしい、実践記録でした。

大学の同級生で、高校時代に演劇部にいた人が、「喜劇こそ、演劇。見終わって悲しくなるような演劇は、見たくない」と言っていたことを、思い出しました。(ちょっと、極端な意見だとは思いますが)。

それから、私は研究関係の雑誌を読むとき、1日に4-6ページずつ読み進めることが多いのですが、(ドリル読書と呼んでいます)、今回は移動の車中で、後半を一気に読みました。

それはそれで、興味深い記事は、それなりに記憶に残るし、いいのかなと思いました。すこし、読書のペースを上げないといけません。

『演劇と教育』(第704号)

かなり前ですが、日本演劇教育連盟編集の機関誌、『演劇と教育』の第704号(2018年7+8月号、晩成書房)を、読みました。

特集のテーマは、「『道徳』と演劇教育」。

特集記事を読んだのは、ずいぶん前なので、よく憶えていません。ただ、自分の演劇教育との出会いを、思い出した気がします。

私の演劇教育との出会いは、千葉大学教育学部での「教育心理劇」についての講義でした。「教育心理劇」は、モレノの心理劇を教育に役立てるために応用するもので、「役割演劇」とか「ロール・プレイング」とも呼ばれます。

日本の学習指導要領でも、「道徳の授業における役割演劇」が明記されています。そして当時は、千葉大学教育学部附属小学校に、低い舞台のある部屋があり、「教育心理劇」の実践と研究がおこなわれていました。

脚本のない、即興を中心とした演技、観客との自由なやりとりは、私には新鮮で、引き込まれました。

その後、ある時期から、治療の要素をふくむ「教育心理劇」からは、すこし距離をとるようになるのですが、私の演劇教育の出発点であることには、変わりありません。ずいぶん昔のことですが。

それにしても、『演劇と教育』の703号を読んで、ブログに感想を書いたのが、昨年4月。ほぼ1年3か月ぶりです。すこし頑張って、バックナンバーを読んでいこうと思います。

『まんがで知る 未来への学び2-教師も変革を起こす時代』

かなり前ですが、前田康裕の『まんがで知る 未来への学び2-教師も変革を起こす時代』(2019年、さくら社)を読みました。

著者の本は、『まんがで知る 教師の学び-これからの学校教育を担うために』『まんがで知る 教師の学び2-アクティブ・ラーニングとは何か』『まんがで知る教師の学び3-学校と社会の幸福論』『まんがで知る未来への学び-これからの社会をつくる学習者たち』を、読んことがあります。

著者は、熊本大学教育学部美術科卒業。岐阜大学教育学部大学院教育学研究科修了。公立小中学校教諭、熊本大学教育学部附属小学校教諭、熊本市教育センター指導主事、熊本市立向山小学校教頭を経て、2017年4月より熊本大学教職大学院准教授。

「前作から続く今回の舞台は、人口が減少している地方の町。そこに時間に追われ古いままのやり方を変えられない教師と町民たち、そして中学生が登場します。突破口が見当たらずあきらめてしまいたくなる状況を、学びの力で呼び覚まされた人々の思いが少しずつ変えていきます」

舞台である薬苑町で繰り広げられる人々の迷いや対立、理解や協同の過程は、まさにリアルな物語です。面白いです。

また、「STEAM教育」や「SDGs」など、復習できたのも、よかったです。教師向けのビジネス書の紹介も、ありがたいです。

ただ、コロナ危機での学校閉鎖にあたり、「都会と地方、家庭の状況(親の教育への関心とか、裕福さ)による、子どもを囲む環境の差異は、そう簡単に変えられないのでは」とも思いました。理想と現実、いろいろと自問自答しながら、生きています。

『演劇学論集』(第65号)

日本演劇学会の紀要、『演劇学論集』(第65号)(2017年)を、読みました。積読の状態にあったのですが、夜中にふと起きて、読みはじめました。

今回、紀要の大部分は、「日本演劇学会 2017年度 全国大会「演劇と教養」の記録」です。この学会は、演劇教育の研究者よりは、演劇学の研究者の方が多いのですが、今回は、前者の発表がいつもより多かったようです。

最初の収穫は、シンポジウムⅠの報告での「アートベース・リサーチ」の定義の整理でした。メモとして、書いておきます。

「アートベース・リサーチ(Arts-based Research)とは専門諸科学の研究プロセスにアートやその効能を利用するもので、ポストモダニズム以降の社会科学に現れた「前衛的」な手法である。

ここでいうアートのカテゴリーには、思いつくだけでも、音楽、サウンド、小説、詩、写真、映像、立体や平面の美術、インスタレーション、そしてもちろん、ダンス、演劇、パフォーマンスなど、およそあらゆるアート表現が含まれている。

これらの表現を使いながら、研究の成果を公表(上映、上演、展示)したり、また研究の過程においても、その調査行為自体に、アートを取り込もうとするものである」

シンポジウムⅡの報告は、知っていることが多く、シンポジウムⅢの報告は、ちょっとかみ合わない部分もありました。このあたりは、実際に会場で聴いたほうが、学びや気づきが多かったかなと思いました。

そのほか、川島裕子や花崎攝の研究発表も、聞きたかったです。

1冊を一気に読んで、2日間の学会に参加したような気分になりました。ここ数年、国内外の学会に参加していません。

学会に参加するには、旅費、宿泊費、参加費が必要です。研究費の支給のない立場にいると、どうしても足が遠のくのですが、「もうすこし、外に出てみようか」と思いました。

『文化芸術』 vol. 11 2019

文化芸術振興議員連盟発行の小冊子、『文化芸術』の第11号(2019年)を、読みました。

たぶん、日本児童青少年演劇協会の事務所に立ち寄ったときに、もらってきたものだと思います。

積読の状態にあったのですが、夜中にふと起きて、読みはじめました。わりと大事なことが書かれていたので、メモがわりに、書いておきます。

文化芸術振興議員連盟では、2013年以来5年にわたり文化芸術立国の実現のため「文化省創設」を訴え、数々のシンポジウム・勉強会を重ねてきた。その成果として、「これからの日本に求められる文化を所掌する『文化芸術省』創設の提言」を、2019年12月5日に開催した総会で取り纏めた。

更に同月25日には、文化芸術関係20団体からなる「文化芸術推進フォーラム」とともに首相官邸を訪れ、菅義偉内閣官房長官に対し、文化芸術省創設の提言書を手渡した。

日本の文化行政が諸外国に比べ 脆弱で予算も少ないこと、また文化を所掌する省庁がいくつにも分散していることなど、現状について意識を共有する会談となったということです。

2001年に、『文化芸術振興基本法』が制定され、2017年に、『文化芸術基本法』が制定されました。

子どもや文化や芸術について考えるとき、「下から意見をまとめて、上に伝えることはできるが、大きく変えるには、上から法律と予算が与えられることが必要」と、思うことがあります。

これからの子どもたちのために、日本を、文化や芸術の豊かな国にしていきたいなあと思います。

『児童・青少年演劇ジャーナル げき』(第19号)

児童・青少年演劇ジャーナル〈げき〉編集委員会編集の雑誌、『児童・青少年演劇ジャーナル げき』の第19号(2018年、晩成書房)を、読みました。

巻末の戯曲以外は、すべての記事に目を通しました。あいかわらず、読みごたえがあったし、読んでいて面白かったです。(読み終えるまで、5か月もかかってしまいましたが)。

今回の執筆者も、学校の教員から、児童青少年演劇劇団関係者、研究者まで、いろいろな団体の垣根を越えて集まっていて、いいなあと思いました。

特集は、「アジア児童青少年舞台芸術フェスティバル2018」。フェスの直前に出された雑誌なので、仕方のない部分もあるのですが、「広告宣伝よりは、終わった後の報告を読みたいな」と思いました。

次に、「「文化芸術基本法」について聞きました」というインタビュー記事。勉強になりました。せっかくできた法律、生かしていきたいと思います。

それから、加藤早恵の「「劇あそび勉強会」~むかし・いま・これから~」も、長く続いている勉強会の活動がよくわかって、興味深かったです。

あと、いろいろな報告も、楽しく読みました。日本児童青少年演劇協会、アシテジ日本センター、TYA Japanなどの活動をとおして知っている人が、多く執筆していて、より身近に感じることができました。

『演劇と教育』(第703号)

日本演劇教育連盟編集の機関誌、『演劇と教育』の第703号(2018年5+6月号、晩成書房)を、読みました。(ちょっと前ですが)。

特集のテーマは、「脚本は、劇づくりの要だ!」。

まず、横須賀とも子の「脚本を選ぶポイント」が、わかりやすかったです。中学校演劇部の顧問になって1年目か2年目くらいの人を対象に、脚本形式で書いているのですが、まさにポイントをついていました。

次に、志野英乃の「“よい演劇・よい脚本とは何か?”問題」が、印象に残りました。自分のHPへの書きこみをもとに、テスト問題のように書いているのですが、こういう原稿もありかなと思いました。

それから、岡田美香の「地域に溶け込むエンターテインメントを目指して ”65歳以上の劇団”」も、ライフヒストリーのようで、興味深かったです。(高齢者と演劇というのは、いま話題のトピックのひとつです)。

最後に、2つの新連載が始まりました。「紙上教育カフェ」と「劇づくり版『しくじり先生』」。テレビ番組の影響がわかりますが、時代にあわせるのはいいと思います。今後に期待。

『演劇と教育』(第702号)

日本演劇教育連盟編集の機関誌、『演劇と教育』の第702号(2018年3+4月号、晩成書房)を、読みました。(かなり前ですが)。

特集のテーマは、「3.11 あれから7年-表現活動の視点から」。わりと、興味深かったです。とくに、2つの実践記録が、印象に残りました。

まず、西田直人(筆名=矢野青史)の「『サテライト校』での芝居創り」。紹介された、サテライト仮想劇、『いつか、その日に、』は、NHKの番組で見ていました。

次に、多田純也の「あれからもう七年・まだ七年-被災した子どもたちに舞台を届け続けて」。筆者は、フェイスブック友達で、その活動もよく知っています。

震災や戦争を特集した雑誌やテレビ番組を見ていると、「いつまでも過去にとらわれず、未来に向かって、現在を生きていこうよ」と思うこともあります。

ただ、教育やメディアは、折にふれて、しつこいと思われても、震災や戦争の過去を伝えていく使命があるのかなとも思います。

『児童・青少年演劇ジャーナル げき』(第18号)

児童・青少年演劇ジャーナル〈げき〉編集委員会編集の雑誌、『児童・青少年演劇ジャーナル げき』の第18号(2017年、晩成書房)を、読みました。

巻末の戯曲以外は、すべての記事に目を通しました。あいかわらず、読みごたえがあったし、読んでいて面白かったです。(読み終えるまで、8か月もかかってしまいましたが)。

今回の執筆者も、学校の教員から、児童青少年演劇劇団関係者、研究者まで、いろいろな団体の垣根を越えて集まっていて、いいなあと思いました。

特集は、「第19回アシテジ南アフリカ(ケープタウン)世界大会報告」。7人が、執筆しています。私も、日本のグループの副団長として参加したので、いろいろ思い出しながら、楽しく読みました。

小特集は、「乳幼児と舞台芸術」。この分野に興味を持つ研究者がでてきたようで、うれしく思っています。さまざまな実践、研究の共有が、望まれます。

それから、「自分史としての児童・青少年演劇〔17〕 香川良成氏(演出家)に聞く」(聞き手・構成小川信夫)というインタビュー記事も、興味深く読みました。香川さんとは、研究会とか、アシテジとか、ワークショップとか、いろいろなところで、接点があったので。

さて、私も原稿を載せてもらえるように、努力しないといけません。