『送りの夏』

投稿者: | 2023年6月25日

かなり前ですが、3月21日、錦糸町のすみだパークシアター倉で、東京演劇アンサンブル『送りの夏』を、見てきました。

東京演劇アンサンブルの公演は、『ミラー』(2016年)、『クラチカット』(2019年)、『おじいちゃんの口笛』(2020年)、『宇宙のなかの熊』(2021年)『タージマハルの衛兵』(2021年)、『彼女たちの断片』(2022年)、『銀河鉄道の夜』(2022年)を、見たことがあります。

原作は、三崎亜記の『バスジャック』(集英社文庫)。脚本は、西上寛樹。演出は、三木元太。舞台監督は、雨宮大夢。制作は、太田昭・小森明子。

「母・晴美の行方を追って、海のある街に降り立った小学6年生の麻美。そこには共同住宅である「若草荘」があった。母は「直樹」という、優しい笑みを浮かべたまま微動だにしない人形のような男性と暮らしていた」

「「若草荘」には、同じような老夫婦、親子、恋人同士……いろんな人たちが人形のような家族と暮らしていた。そしてそれは、周りからは奇異な目で見られる存在でもあった」

「自分の知らない母の姿を目の当たりにし、戸惑いつつもその理由を理解しようとする麻美。近しい人の死とどう向き合うのか、どう受け入れていくのか。12歳の少女が、人間の死と向き合う物語」ということです。

なんの予習もせずにいったので、はじめは、人形と暮らす人々の描写に、なかなかついていけませんでした。徐々に、この作品のテーマが、胸に浸みこんできました。

「身近な人との死別」という、重いできごとを扱っていますが、主人公の麻美(永野愛理)と啓太(雨宮大夢)のやりとりは、一服の清涼剤となりました。見終わった感想は、わりといいです。

ちなみに、この劇場は、7月のアシテジ日本センターの自主公演で使うのですが、駅から歩いて20分、ロビーは狭いものの、音響もよく、ステージと客席も近くて、いいなと思いました。