すこし前ですが、1月5日、横浜のSTスポットで、人形劇団ひとみ座主催、松本美里ひとり人形芝居、『おしいれのぼうけん』を見てきました。
人形劇団ひとみ座は、1948年の創設の専門(プロ)劇団です。子どもの観客をおもに想定した、テレビの『ひょっこりひょうたん島』や『ズッコケ時間漂流記』。大人の観客をおもに想定した、『リア王』など、幅広いレパートリーをもっています。私は、『イヌの仇討』、『かわいいサルマ』、『ごきげんなすてご』を、見たことがあります。
今回は、公演の題名に魅かれて、横浜まで足を運びました。ちなみに原作は、ふるたたるひ・たばたせいいちの『おしいれのぼうけん』(童心社刊)。脚本・演出は、西上寛樹。人形美術・舞台美術・衣装は、本川東洋子。
会場は、幼稚園や保育園の教室くらいの広さのスペースで、とくに高い舞台はありません。前半分には、そのまま座れる座布団が敷かれていて、後ろ半分は、いすが並べられていました。
私の席は、いす席の最前列の中央で、「私の後ろの人は、よく見られるかなあ」と、ちょっと心配しました。学校が冬休みのせいか、家族ときている子どもたちで、いっぱいでした。
開演前、紙芝居屋さんを彷彿とさせる、額縁舞台を前に、松本さんが、子どもたちとやりとりをします。とてもいいかんじです。
ストーリーは、「さくら保育園に通うさとしとあきらは、ある日おもちゃの取り合いでけんかになり、先生に叱られて反省のためにおしいれに閉じ込められる。真っ暗なおしいれの中で二人はしばらく口もきかなかったが、やがておしいれの闇がふくらみ、たくさんのネズミを従えたネズミばあさんが現れる。怖さにふるえながらも、二人は手に手をとってネズミばあさんに立ち向かっていく」というもの。
人形は、カクカク動くひとり遣い。主人公2人、ネズミばあさんなど、すべての人物を、松本さんが声を替えて、演じわけます。すごいと思いました。また、多くの人が、共感できる話だったと思います。
ちょっと思ったのは、「ネズミばあさんの人形は、あれほど大きく、怖くなくても、よかったのでは」ということでした。子どもは、お化けや幽霊や妖怪など、怖いものが好きですが、怖がらせるのと、感動させるのは、ちがうような気がします。
ともあれ、「正月から、いいものを見せてもらった」と思い、家路につきました。