『ごきげんなすてご』

投稿者: | 2022年1月22日

かなり前ですが、昨年12月4日、なかのZERO西館美術ギャラリー1で、人形劇団ひとみ座による公演、『ごきげんなすてご』を見てきました。

人形劇団ひとみ座は、1948年の創設の専門(プロ)劇団です。子どもの観客をおもに想定した、テレビの『ひょっこりひょうたん島』や『ズッコケ時間漂流記』。大人の観客をおもに想定した、『リア王』など、幅広いレパートリーをもっています。私は、『イヌの仇討』『かわいいサルマ』を、見たことがあります。

今回は、劇団風の子の大澗弘幸さんが、脚本・演出ということで、興味をもって、中野まで足を運びました。ちなみに原作は、いとうひろしの『ごきげんなすてご』(徳間書店刊)。出演は、篠崎亜紀、高橋奈巳、龍蛇俊明。制作は、田坂晴男。

会場は、幼稚園や保育園の教室くらいの広さのスペースで、とくに高い舞台はありません。前半分には、そのまま座れるソフトシートが張られていて、後ろ半分は、いすが並べられていました。

私の席は、ソフトシートの最後列で、「ちょっと、座り疲れるかも」と思ったのですが、大丈夫でした。むしろ、ひさしぶりに、子どもの目線で公演を見ることができ、よかったです。

土曜日だったせいか、おめかしをして、家族ときている子どもたちもいました。「きっと、思い出に残るのだろうな」と、微笑ましかったです。

ストーリーは、「さんかげつまえ おとうとがやってきた。おとうとのかおは おさるだった。なのに おかあさんは おとうとばっかり かわいがる。もう いやだ。こんな おさるの おうちとは さよならだ。だれが かえるもんか。りっぱな すてごに なるんだ」というもの。

冒頭から、3人の俳優が動き回る演出で、人形劇と俳優のからだを使った演劇のミックスのようでした。「あたしは、お姉ちゃんじゃない。あたしは、あたし」という主人公のセリフが、響きます。多くの人が、共感できる話だったと思います。いぬ、ねこ、かめの人形も、かわいかったです。

ちょっと思ったのは、「挿入歌はあるのだけれど、もっと声とか拍手とか、観客の参加をもとめてもいいのでは」ということです。「幼児が、じっと座ったままで、45分集中してみるのは、ちょっと大変かも」と思いました。