『イヌの仇討~忠臣蔵異聞~』

投稿者: | 2017年3月27日

一昨日の夜は、六本木の俳優座劇場で、人形劇団ひとみ座による公演、『イヌの仇討~忠臣蔵異聞~』を見てきました。

人形劇団ひとみ座は、1948年の創設の専門(プロ)劇団です。子どもの観客をおもに想定した、テレビの『ひょっこりひょうたん島』や『ズッコケ時間漂流記』。大人の観客をおもに想定した、『リア王』など、幅広いレパートリーをもっています。

『イヌの仇討』は、井上ひさしが原作。演出は、前進座の鈴木龍男。製作は、半谷邦雄。国民的ドラマの『忠臣蔵』を、吉良上野介の立場から描いたものです。

寝間の布団から逃げ出した吉良は、お付きの人たち、将軍様から預かった白犬一匹と炭部屋に立て籠もる。既に古びた長持の中には、盗ッ人が忍んでいた。迫りくる赤穂の討手。

「どう思案をめぐらせても、討たれる理由なぞない」と、理不尽な仕打ちに悶々とする吉良であったが、盗ッ人が語る町の噂話や、お付きの人たちとのやりとりから、討入りの本質を知ることになる。それは単に主君の仇討ではなく、お上への挑戦であったという話です。

人形は、幼児くらいの大きさ。基本的に、ひとり遣いですが、ときどき、サポートがはいります。文楽の人形のようでした。公演は、休憩をはさんで、2時間20分。子どもよりは、大人を観客に想定したかんじです。

面白かったです。盗ッ人や小坊主の取り回しにより、心地よいテンポでストーリーが展開され、次はどうなるのだろうと思いながら見ました。また、登場人物の会話ややりとりにも、メリハリがありました。原作も、演出も、キャストも、よかったということでしょう。

次は、人形劇団ひとみ座とつながりのある、「デフ・パペットシアター・ひとみ」(ろう者と聴者が協同して、人形劇公演活動をおこなう)、「ひとみ座乙女文楽 」(女性による、ひとり遣いの伝統人形芝居)の公演も、見てみたいなあと思いました。