『青春舞台2017』

YouTubeで、 NHKのEテレの『青春舞台2017』を見ました。第63回全国高等学校演劇大会(第41回全国高等学校総合文化祭の演劇部門)の特集です。

再放送がないかなと思い、検索していたら、YouTubeで見つけました。(パソコンの画面で見るのは、目が疲れるので、あまりしたくないのですが、今回は我慢しました)。

昨年は、国立劇場で開催された、全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演を見にいけず、また、部屋の改築で、テレビの録画もできていませんでした。

前半のドキュメントは、高校生の貧困をテーマにした劇とか、閉鎖される福島の高校のサテライト校を舞台にした劇とか、みじかい紹介でしたが、高校演劇の幅の広さを感じさせるものでした。

最優秀校の公演は、兵庫県立東播磨高等学校(籔博晶/作)の 『アルプススタンドのはしの方』 。

派手な動きや大きなセットもなかったけれど、野球のボールの軌跡を、目線で表現するなど、演劇でしかできない可能性を追求した公演でした。会話もユーモアがあって、また「高校生の勉強・部活・恋愛に対する思い」がわかるもので、感動しました。

『青春舞台2018』

テレビで録画しておいた、NHKのEテレの『青春舞台2018』を見ました。第64回全国高等学校演劇大会(第42回全国高等学校総合文化祭の演劇部門)の特集です。

いつもは、2時間続きなのですが、今回は、3回に分けての放送でした。(30分のドキュメントを2本、1時間の劇場中継を1本)。

一昨年は、国立劇場で開催された、全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演を見にいったのですが、今年は予定があわなくて、残念ながらテレビでの鑑賞です。

ドキュメントでは、泣いてしまいました。研究者という、一歩下がって客観的に教育を見る職業を選んだものの、ときどき、生徒といっしょに努力していく現場を、うらやましく思ったりします。

最優秀校の公演は、香川県立丸亀高等学校(豊嶋了子と丸高演劇部/作)の『フートボールの時間』。「女性は、はやく結婚して、家庭にはいるべき」と思われていた時代に、サッカーを愛した女学生の物語です。

きちんとした取材にもとづく、高校生の成長がわかる、よい公演でした。

中国でのアシテジ芸術家集会④-観劇

今回のアシテジの芸術家集会は、第8回中国児童演劇フェスティバルといっしょに、開催されました。

私の購入したパッケージには、12枚の公演のチケットが、含まれていました。ただ、シンポジウムや会議やワークショップと重なっていたりして、実際に見たのは、7つです。(それでも、これまでの私からすると、よく見たほうです)。

全体の印象は、「幕の内弁当のようだなあ」というものでした。中国の劇団によるもの、海外の劇団によるもの。子どもがでるもの、大学生がでるもの、プロの俳優がでるもの。シンプルなセットによるもの、大規模なセットや映像を使ったもの。

中国のことわざや有名な話(たとえば、『西遊記』)を演じたもの、西洋のオリジナル・ミュージカルや有名な話(たとえば、『ノートルダムの背むし男』)を演じたもの。

よくいうと、バランスがとれているのですが、フェスティバルのテーマが伝わってくるような選定ではありませんでした。前衛的な公演もありませんでした。

いちばん印象に残っているのは、西安子ども劇団の『おばあちゃんとの24か月』です。6歳の子どもが、都会の親元を離れ、田舎の祖母と暮らすなかで、成長していく話。シンプルなセットでしたが、心温まる公演でした。

2番目に印象に残っているのは、中国国立児童青少年劇団の『東シナ海の人魚』です。人魚伝説の中国版でしょうか。こちらは、空中飛行、せり上がり回転する舞台、特殊映像などを、駆使した公演でした。(日本の劇団四季から、助言をもらったそうです)。

他の参加者から、「少ない観客を対象にした、社会問題(いじめ、貧困、差別など)を扱った、公演がない」という感想も、聞きました。

「中国では、検閲がある。また、政府から助成金をもらっているので、彼らが喜ぶような、大劇場での有名な話の公演になることが多い」ということでした。

『陽気なハンス』

ちょっと前ですが、6月7日(木)は、浅草に近い小学校の体育館で、劇団風の子の『陽気なハンス』を見てきました。中国の上海国際芸術フェスティバルの関係者が、日本の児童青少年演劇の視察に来ていて、その通訳の仕事でした。

劇団風の子は、1950年、戦後の東京の焼け野原の中で、子ども会や子ども文庫の活動をしていた多田徹らにより、設立。「子どものいるとこどこへでも」を合言葉に、百数十名の劇団員がいくつかの班にわかれ、日本中で公演を続けてきたそうです。

現在は、北海道、東京、九州、中四国、関西、東北と、地域に密着した劇団風の子があります。記憶は定かでないのですが、私が小学校の頃、初めて見た演劇鑑賞教室の作品は、劇団風の子の公演だったと思います。

『陽気なハンス』は、多田徹の代表作。百姓の末っ子のハンスが、広い世間にとびだして、知恵と勇気を発揮して、陽気に元気に生きていくさまを描いたものです。

中央の8角形の舞台から3本の花道がのび、花道をはさんで客席が作られます。子どもたちは、向かい側に座っている子の顔と、その後ろにぐるっと囲まれたドイツの田園風景も眺めることができるということです。

体育館の構造を、うまく使った演出だなあと思いました。また、のこぎり(弦楽器のような音色がでる)やフライパン、手風琴などの生演奏もいいなあと思いました。

大きなお化けで、子どもたちを怖がらせるのは、どうかなとも思いましたが、印象には残るかもしれません。

観劇の後の校長先生の柔和な笑顔がよかったです。ひさしぶりの学校訪問、観劇でした。劇団風の子の関係者には、感謝したいです。

『ドンマイ 』

先週の土曜日(9月2日)は、伯母の友人と、四街道市文化センター大ホールで、第3回四街道市民ミュージカル、『ドンマイ』を見てきました。

生の舞台をみるのは、ひさしぶり。幼児から80代まで、三世代市民の文化交流と地域のつながりを目的に、大人も、子どもも、障がいのある人も、みんなで創ったミュージカルということです。

千葉盲学校の弱小フロアバレーボール部が、多くの人たちの協力のもとに、全国大会を目指して奮闘するというストーリー。テーマは、「障がいのある人・ない人の共生・共存」。

たくさんの子どもたちが楽しそうに音楽にあわせて歌い踊っているのが、印象的でした。ミュージカルはすごいと思いました。

また、パンフレットを見ると、交流会では、里山ハイキング、小名木川での水遊び、ホタルや蝉の羽化見学会なども、おこなったということ。

子ども劇場やおやこ劇場もそうですが、単に演劇を見たり演じたりするだけでなく、さまざまな企画をとおして、子どもたちの健やかな成長を手助けする機会をつくってきたことがわかります。いいなあと思いました。

ちなみに、フロアバレーボールとは、視覚障がいのある人と健常者が一緒にプレイできるスポーツで、床上30センチに張ったネットの下を、動かすと音の出るボールを潜らせて得点を競うもの。

私は、高校生の頃、読売新聞社主催の学生キャンプで、盲学校の生徒たちといっしょにやったことがあります。懐かしい。

ポール・マッカートニーのコンサート

昨夜は、東京ドームで開催された、ポール・マッカートニーのコンサートにいってきました。

ポールの熱烈なファンというわけではありませんが、ビートルズの曲は大好きです。ポールとレノンは、天才だと思っています。

昨年の日本ツアーは、応募したものの、チケットがとれませんでした。今年は、なんとかとれました。S席、手数料をいれると、19,290円。高いですが、ポールも、もう74歳。次にいつ日本に来るか、わかりません。

また、大学の授業で、学生に、「好きなアーティストがいたら、お小遣いやバイト代を全部使ってでも、コンサートにいきなさい」と言っていることもあり、いくことに決めました。

座席は、3塁ベースの後ろの1階スタンド、38列。ステージからすこし遠く、また横から見ることになりました。ただ、ステージの左右に、大きなディスプレイがあり、ありがたかったです。

コンサートは、「A Hard Day’s Night」から、はじまりました。途中、「Can’t Buy Me Love」や「Love Me Do」や「Lady Madonna」や「Ob-La-Di, Ob-La-Da」などを含んで、「Let It Be」へ。ラストは、「Hey Jude」を、みんなで合唱しました。

アンコールでも、「Yesterday」の弾き語りや、「I Saw Her Standing There」の演奏がありました。休憩なしの3時間、39曲の熱唱でした。日本語での呼びかけも、たくさんありました。

ひさしぶりのコンサート、ひさしぶりの東京ドームでしたが、いってよかったです。

ひとつ残念だったのは、コンサートの途中で、前に座っていた中年の女性から、「足音がうるさい」と言われたこと。「からだ全体を使って、コンサートを楽しもう」という気持ちが、そがれました。

ロックのコンサートは、手拍子をして、足を踏み鳴らして、ときに拳を振りあげ、合唱して、楽しむものです。それが嫌な人は、来るべきではないと思います。

『イヌの仇討~忠臣蔵異聞~』

一昨日の夜は、招待をいただいて、六本木の俳優座劇場で、人形劇団ひとみ座による公演、『イヌの仇討~忠臣蔵異聞~』を見てきました。

人形劇団ひとみ座は、1948年の創設の専門(プロ)劇団です。子どもの観客をおもに想定した、テレビの『ひょっこりひょうたん島』や『ズッコケ時間漂流記』。大人の観客をおもに想定した、『リア王』など、幅広いレパートリーをもっています。

『イヌの仇討』は、井上ひさしが原作。演出は、前進座の鈴木龍男。製作は、半谷邦雄。国民的ドラマの『忠臣蔵』を、吉良上野介の立場から描いたものです。

寝間の布団から逃げ出した吉良は、お付きの人たち、将軍様から預かった白犬一匹と炭部屋に立て籠もる。既に古びた長持の中には、盗ッ人が忍んでいた。迫りくる赤穂の討手。

「どう思案をめぐらせても、討たれる理由なぞない」と、理不尽な仕打ちに悶々とする吉良であったが、盗ッ人が語る町の噂話や、お付きの人たちとのやりとりから、討入りの本質を知ることになる。それは単に主君の仇討ではなく、お上への挑戦であったという話です。

人形は、幼児くらいの大きさ。基本的に、ひとり遣いですが、ときどき、サポートがはいります。文楽の人形のようでした。公演は、休憩をはさんで、2時間20分。子どもよりは、大人を観客に想定したかんじです。

面白かったです。盗ッ人や小坊主の取り回しにより、心地よいテンポでストーリーが展開され、次はどうなるのだろうと思いながら見ました。また、登場人物の会話ややりとりにも、メリハリがありました。原作も、演出も、キャストも、よかったということでしょう。

次は、人形劇団ひとみ座とつながりのある、「デフ・パペットシアター・ひとみ」(ろう者と聴者が協同して、人形劇公演活動をおこなう)、「ひとみ座乙女文楽 」(女性による、ひとり遣いの伝統人形芝居)の公演も、見てみたいなあと思いました。

『チョコレート戦争』

一昨日(3月4日)は、招待をいただいて、両国の江戸東京博物館ホールで、劇団ポプラのミュージカル、『チョコレート戦争』を見てきました。

劇団ポプラは、1978年の結成。1983年に株式会社劇団ポプラとして設立。演劇(舞台・ミュージカル)の制作・運営を行い、全国規模で公演を行う会社ということです。

私は3年前に、『シンドバットの冒険』を見たことがあります。大きな船のセットが印象的なミュージカルでした。 

今回は、大石真の児童文学が、原作。高級洋菓子店のショーウィンドウを割ったと誤解された子どもたちが、犯人扱いする店員たちにユニークな方法で戦いを挑み、無実を証明しようと奮闘するお話です。

小学生の頃に、原作を読んだのですが、あらすじは忘れていました。そのぶん、ワクワクしながら見られたので、よかったかもしれません。ミラーボールの照明が印象的な、ミュージカルでした。美味しそうなケーキを空想させる歌詞と音楽、ダンスもよかったです。

公演のあとは、劇団ポプラのメンバーが、アウトリーチプログラムとして、5回の出張授業をおこなった、小学校3年生の歌とダンスの発表もありました。子どもたちの思い出に残るだろうなあと思いました。

『ねずみ女房』

一昨日(2月5日)は、招待をいただいて、JR本八幡駅から歩いて15分の市川市文化会館で、人形劇団ひぽぽたあむによる公演、『メヌエット』と『ねずみ女房』を見てきました。

人形劇団ひぽぽたあむは、永野むつみさんを中心に、1988年の創設。おもに片手遣いの人形で、演じます。子ども劇場・おやこ劇場などで、人気のようです。永野さんは、講演やワークショップも、精力的におこなっています。

最初の『メヌエット』は、セリフはなく、音楽のみで、テーブルのうえで演じられる、人形劇でした。ベッドから抜け出しては、看護士さん叱られてしまう女の子が、カーテンの紳士と外の世界にでるというお話です。

見ていて、心地よい劇でした。2人が外にでるシーンは、『ゆきだるま』という絵本を、思い出しました。ただ、後ろのほうに座っている観客は、すこし見づらいかもしれないなと思いました。(観客は、100人以上いたと思います)。

次の『ねずみ女房』は、ルーマー・ゴッデンの絵本が、原作。家族のために、毎日毎日食べ物をさがして、掃除をして、走り回る、メスの家ねずみ。ある日、彼女は、鳥かごにいれられた鳩と出会います。そして、鳩が語る外の世界の話に、興味をもつようになるというお話です。

子どもも楽しめますが、大人が見て、自分の生活を見直したくなる人形劇かもしれないと思いました。先日見た、『ふたつのつばさ』という劇と、重なるところもあります。

それから、ねずみの人形は愛らしく、動きかたもかわいかったです。ひぽぽたあむの他の作品も、見てみたいなあと思いました。

最後に、劇団のパンフレットの表紙に書いてある言葉がよかったので、紹介します。

「ひぽぽたあむの人形劇は、子どもにとってのおやつのようなものです。主食ではないけれど、大切な栄養源、生活の愉しみ、元気のもとです。おやつはおとなにとっても必要です」

『ふたつのつばさ』

一昨日(12月10日)は、招待をいただいて、小田急線の新百合ヶ丘駅近くにある、川崎市アートセンター・アルテルオ小劇場で、company ma (劇団「間」)による演劇公演、『ふたつのつばさ』を見てきました。

company ma は、演出家・大谷賢治郎を中心に、2014年の結成。様々なアーティストや研究者をゲストに迎え入れ、ノンバーバル(無言劇)、フィジカルシアター(身体表現)、子どもや青少年のための演劇、そして大人のための演劇をおこなう、出入り自由な多様性を持った芸術共同体(シアターコレクティブ)を目指しているということです。

今回は、第2回公演。「子どもと大人が一緒に観るお芝居シリーズ」ということです。原作は、アン・ネグリ。演出・美術・翻訳は、大谷賢治郎。音楽は、青柳拓次。(最初、無言劇かなと思っていたのですが、台詞のある、普通の劇でした)。

森の奥深く、高い壁に囲まれた家で、両親とともにひっそりと穏やかに暮らす一羽の鳥、ライフ。ただし、彼には絶対に破ってはいけないルールがあった。壁の向こうの世界へ行かないこと、知らない人と話さないこと、絶対に飛ぼうとしないことなど。すべて危険から身を守るためのルールだとおかあさんは言う。

そんなある日、壁の中に迷い込んできた双子のメタとトーアから、外の世界の「普通」を聞かされたライフは、いつか外へ飛び出して、海まで飛んでいきたいと夢見るというストーリーです。

よかったです。まず、原作がいい。鳥の世界を描きながら、生まれつき、あるいは病気や事故で、障がいをもった者が、いじめを受けたり、自分たちを守るために閉じこもったり、子どもの巣立ちに戸惑ったりする、そういう生きかたをどう考えるかと、問いかけてきます。

穀物をいれる袋を使った美術、演出、照明、どれもいいです。音楽は、ギターによる生演奏。俳優も、きちんと訓練を受けてきたことが、わかります。「メタとトーアの衣装が、奇抜すぎるかな」という感想ももちましたが、外の世界から来たということを明確にする演出だったのかもしれません。

新百合ヶ丘まで、往復3時間以上かかりましたが、いってよかったです。