「アシテジ未来ミーティング」 第3回

ちょっと前ですが、10月8日は、「アシテジ未来ミーティング」の第3回がありました。第20回アシテジ世界大会 /2020国際子どもと舞台芸術・未来フェスティバルの広報戦略チームの主催で、来年3月の開催に向けて、情報共有、意見交換、未来への提案をしていこうというものです。

月に2回、ZOOMで、ゲストを呼んで話してもらい、質疑応答もする。誰でも参加できる、無料の学習会です。

今回の参加者は、アシテジ世界大会・未来フェスティバルの関係者、子ども劇場・おやこ劇場の関係者など、50人ほどでした。

最初に、ゲストの山本茂男さん(私立森村学園初等部教諭、日本児童劇作の会・会長)の報告がありました。コロナ危機における日本の子どもたちについて、わかりやすい報告でした。

後半の45分は、いくつかのグループに分かれての話しあい。テーマは、「子どもや子どもたちの環境・状況について」。私が進行役を務めたグループは、5人でした。

「マスクの着用、運動会や鑑賞教室の中止など、子どもの周りの環境は、変わってきている」、「でも、ZOOMやインターネットを使うようになったり、個別に会えたり、いい部分もある」

「負を楽しむ」、「やらないではなく、やるという選択をすることも、大事」といった意見がでました。

また、「子どもたちは、おとなしくなったが、本質は変わっていない」、「大人が禁止したり、すべてを決めるのではなく、子どもたちが考えたり、表現したりする機会をつくることが、大切では」という発言もありました。

最後に、全体での報告がありましたが、「話し足りない」というかんじでした。みなさん、経験や感情の共有が欲しいのかなと思いました。

興味深い学習会でした。

「言語教育研究会」 第30回研究会

昨日は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第30回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。

前回は、昨年12月21日。コロナ危機の関係で、10か月休会していましたが、今回、ZOOM で開催してみることにしました。

参加者は7人。新しい参加者は、ベネッセやZ会ソリューションズで、首藤先生とともに、書籍や教材ををつくってきた方でした。

最初に、自己紹介と近況報告。首藤先生は、「いま、『漢字図鑑(ICT教材)』をつくっている。外には出ていないが、毎日が仕事で、元気」ということでした。

次に、休憩をはさみながら、テキストの29-30ページを読みました。「教えるという視点」についてでした。いくつか引用すると、

「ホールランゲージの教師は、学習を、ガイドして、サポートして、観察して、勇気づけ、支援することに、確信を持っている。それは、学習をコントロールすることではない」

「ホールランゲージの教師は、学習者の成長のため、期待して、計画する。ただ、結果の恣意的な基準を、押しつけることはしない」ということです。

質疑応答では、「ある程度、学習をコントロールすることは、必要ではないか」、「教えることと、支援することの、バランスが大切では」といった意見がでました。

私の専門の演劇教育でも、最近は、「ドラマ・ティーチャー」、「ティーチング・アーティスト」といった肩書でなく、「ファシリテーター(演劇教育支援者)」という肩書を使う人が増えています。

おそらく、「自分の仕事は、芸術をとおして、参加者の気づきや学びを、支援すること。それは、ある目標のために、なにかを教えこむことではない」という考えにもとづいていると推測するのですが、根づくのかなあと思っています。

その他、首藤先生いはく、「学習者のそれぞれの小道(Path)というのは、詩的な表現だね」、「真(Authentic)の評価は、たぶん心のなかだけに、起こるもの」ということでした。日本学術会議や岡部耕大(演出家)の話題もでました。

また、ZOOMによる初めての研究会でしたが、「語りあうことで、触発される」という感想が、複数出ました。「やって、よかったな」と思いました。

楽しい学びの時間でした。

「アシテジ未来ミーティング」 第2回

ちょっと前ですが、9月17日は、「アシテジ未来ミーティング」の第2回がありました。第20回アシテジ世界大会 /2020国際子どもと舞台芸術・未来フェスティバルの広報戦略チームの主催で、来年3月の開催に向けて、情報共有、意見交換、未来への提案をしていこうというものです。

月に2回、ZOOMで、ゲストを呼んで話してもらい、質疑応答もする。誰でも参加できる、無料の学習会です。

今回の参加者は、アシテジ世界大会・未来フェスティバルの関係者、子ども劇場・おやこ劇場の関係者など、80-90人でした。

ゲストは、高坂諭さん(一般社団法人アート企画ひだまり代表)、清水忠さん(元・子ども劇場おやこ劇場全国連絡会事務局)。テーマは、「子どもの文化の歴史を知る」。

事前に、1903年から現在まで、6つのコラム(社会、児童演劇、子どもの文化、学校・教育、国の文化政策、劇場)にわたって書かれた、7ページの年表が、配布されました。

これはちょっと大変そうだと思ったのですが、ゲストのトーク(それぞれ、30分ほど)は、ライフ・ヒストリーに、さまざまなエピソードを交えたもので、わかりやすかったです。

高坂さんは、1985年の佐渡大祭典(第1回全日本子どものための舞台芸術大祭典。児童青少年舞台芸術フェスティバルとともに、国際シンポジウムなども開かれた)を中心に話されました。

「33300人が参加した。島に伝わる文化の体験企画などもあった。未来を切り開いたイベントだった。ただ、宿泊などの準備は大変だった。決算報告も出せなかった」とのこと。

清水さんは、「1966年以後、福岡から全国に広がった、子ども劇場・おやこ劇場の歴史について」、自分のかかわりを中心に話されました。

「公共の役割を明確にして、文化政策への提言もおこなった。間接体験(鑑賞)だけでなく、直接体験(表現)にも踏みこんだ。創造団体との協同(児童演劇専門人の育成、学校への広報、劇団との合意書など)もおこなった。前例のない、前のめりな時代だった」ということ。

「子供ではなく、子どもへ」、「私の子どもから、私たちの子どもへ」、「おしゃべりは、文化」といったフレーズも、印象に残りました。

後半の1時間は、質疑応答。佐渡大祭典以後の創造団体と子ども劇場・おやこ劇場の関係について、質問がありました。「1985年以後、芸術文化振興基金の助成から、文化団体が外されたりして、子どもと芸術がすこしづつ分かれていった。残念な時代だった」ということでした。

ゲストの2人とも、エピソードが溢れだすかんじで、「若い劇団員にも、聴かせたい」、「このテーマで、もう1回やりたい」という感想がでました。興味深い学習会でした。

『おじいちゃんの口笛』

9月23日、招待をいただいて、池袋駅近くにある、シアターグリーンで、東京演劇アンサンブル・こどもの劇場(入江洋佑追悼公演)、『おじいちゃんの口笛』を見てきました。私にとって、ほぼ1年ぶりの生の舞台鑑賞です。

東京演劇アンサンブルの公演は、『ミラー』(2016年)、『クラチカット』(2019年)を見たことがあります。「ブレヒトの芝居小屋」(稽古場・劇場)での公演でした。

今回の公演は、スウェーデンの人気作家ウルフ・スタルクの代表作で、毎年クリスマスには、スウェーデンでドラマが放送されているという人気作品ということ。

制作の太田あきらさんいはく、「この作品は、2002年に僕自身が、文化庁の在外研修でスウェーデンに行くきっかけになった作品です。日本とは違う、子どもも大人も、一人の人間の生き方を国が尊重するという国、そんな国から生まれる児童文学や、舞台芸術にあこがれ、短期間ではありますが、ストックホルムとイェーテボリに行きました」ということ。

開演15分前に劇場にはいったら、指定席で、舞台から3列目の席でした。

ストーリーは、「ある日ベッラは、ウルフのおじいちゃんの話を聞いて、自分もおじいちゃんがほしくなってしまった。そこで、おじいちゃんがたくさんいる老人ホームに向かい、そこで、ニルスというおじいちゃんと出会った。『ぼくのおじいちゃんになってくれませんか?』」

「その日から、ニルスとベッラは、おじいちゃんと孫になった。おじいちゃんは孫ができたことを喜び、ベッラも初めて出会うおじいちゃんを探検する。食堂でコーヒーをごちそうになったり、おこづかいをもらったり、とても高級なハンカチを使って凧上げをしたり、そして口笛の吹き方を教えてもらったり」

シンプルなセット、すくない俳優で、淡々と話は進んでいきます。ただ、ひとつひとつの出来事が、心にしみます。ハイライトは、おじいちゃんのための真夜中の誕生日パーティー。

見終わって、私をかわいがってくれた、いまは亡き2人のおじいちゃんに、会いたくなりました。

『ミラー』や『クラチカット』とは、ずいぶん異なる翻訳劇で、劇団の幅の広さを感じました。俳優、演出、小道具、音楽、どれもよかったです。そして、「生の舞台はいいなあ」と思いました。

「アシテジ未来ミーティング」 第1回

9月10日は、「アシテジ未来ミーティング」の第1回がありました。第20回アシテジ世界大会 /2020国際子どもと舞台芸術・未来フェスティバルの広報戦略チームの主催で、来年3月の開催に向けて、情報共有、意見交換、未来への提案をしていこうというものです。

月に2回、ZOOMで、ゲストを呼んで話してもらい、質疑応答もする。誰でも参加できる、無料の学習会です。

今回の参加者は、アシテジ世界大会・未来フェスティバルの関係者を中心に、100人を超えていました。

ゲストは、大谷賢治郎さん(アシテジ世界理事/演出家)、下山久さん(アシテジ世界大会芸術監督・総合プロデューサー/りっかりっかフェスタプロデューサー)。

テーマは、「アシテジ(国際児童青少年舞台芸術協会)とは何か」。広報戦略チームの若手が、「日本センターの役割とは? 世界のアシテジって? 何故、世界と繋がるのか?」 など、率直に訊いていきます。

前半の1時間は、ゲストのトーク。アシテジやフェスティバルの説明かと思っていたら、2人の「演劇、フェスティバル、アシテジとの出会い」についてのライフ・ヒストリーでした。

大谷さんは、「幼少期の頃から、当たり前に演劇に親しんできた。すべての子どもたちが、この当たり前を享受できるように、演劇の外交官になりたい」ということ。

下山さんは、「佐渡祭典で、海外のアシテジ・劇団関係者と交流をもち、その後いろいろな国際舞台芸術フェスティバルに参加してきた。フェスをとおして、交際交流をしていきたい」ということ。

後半の1時間は、質疑応答。アシテジ世界大会や未来フェスの目的や内容について、質問がありました。「世界の子どもたちと芸術に関わる人たちが集まれる、窓口にしたい」、「子どもたちには、すごい作品を。世界からの参加者とは、深い話を」ということ。

「世界大会では、セミナーやシンポジウムにくわえて、エンカウンター(テーマにそっての自由は話しあい)も、組まれている。今回は、日本語通訳も付くので、積極的に参加してほしい」ということ。

また、「コロナの感染の拡大で、子どもたちは変わったか」という質問もありました。「本質は変わっていない」、「ただ、まわりの影響(テレビやSNSなど)は、受けている」、「いまの学校は、とても静か」といった発言がありました。

最後は、「大変なのは、子どもたちかもしれない。芸術や文化が、なんらかの力になれば」とまとまりました。興味深い学習会でした。

『白い沈黙』

かなり前ですが、テレビで録画しておいた映画、『白い沈黙』(2014年、カナダ、吹き替え)を見ました。

休刊になっている私のメールマガジン、『カナダから学ぶ』の記事に使えるかなあと思い、BSから録画しておいたものです。

監督は、カナダ人のアトム・エゴヤン。彼の作品は、『アララトの聖母』を見たことがあります。

「ある吹雪の日、車の後部座席にいた娘のキャスが忽然と姿を消した。具体的な物的証拠や目撃情報は一切なく、刑事たちから疑惑の目を向けられた父親のマシューは、娘の失踪に取り乱した妻ティナからも猛烈な非難を浴びる」

「それから8年、刑事がネット上でキャスに似た少女の画像を発見し、彼女の生存を仄めかす手がかりが次々と浮上する」というストーリーです。

小児性愛者による、誘拐と監禁の物語なのですが、時系列になっていないので、ストーリーについていくのが大変でした。刑務所での会話とか、マシューの行動とか、不自然なシーンもあります。

ウィキペディアの説明では、「カンヌ公開時の本作に対する批評は極めて厳しいものだった」とあります。なんとなく、頷けます。

唯一、印象に残ったのは、カナダ・オンタリオ州・サドベリーで撮影された、冬の景色でしょうか。

『「獺祭」の挑戦 山奥から世界へ』

弘兼憲史の『「獺祭」の挑戦 山奥から世界へ』(2020年、サンマーク出版)を読みました。ネットで発売を知り、即購入。2時間で、一気読みでした。

著者は、山口県岩国市出身。松下電器産業(現パナソニック)を経て、漫画家へ。サラリーマンとしての経歴を生かし、現代社会に生きるさまざまな大人たちの生活や、葛藤をテーマとした作品を描いているということです。

私は、熱烈なファンというわけではありませんが、『島耕作』のシリーズは、すべて読んでいます。

一方、「獺祭」は、高校の同級生主催の日本酒会で、「獺祭 スパークリング」を飲んだことがあります。最近は、日本酒を飲んでいませんが、興味は持っていました。

この本は、「山口県の山奥から世界へと広がる日本酒「獺祭」。1984年、旭酒造の3代目社長として就任した桜井博志はどのような挑戦を重ね、失敗と挫折を繰り返しながら世界中で愛されるブランドを生み出したのか。その軌跡に漫画家弘兼憲史が挑む!」ということです。

前半は、漫画。後半は、エッセイとなっています。読みやすかったです。「獺祭」を製造する「旭酒造」が、「杜氏を使わない」、「問屋を通さない」、「四季醸造」などの改革を進めてきたことがわかりました。

読んだ翌日、千葉駅構内の酒屋で、「獺祭 純米大吟醸 45」を買ってきました。750mlで、1650円。(本当は、「磨き二割三分」を買いたかったのですが、高価で、手がでませんでした)。

いま、冷やした「獺祭」を飲みながら、書いています。飲みやすくて、美味しいです。幸せな時間です。

DIC川村記念美術館

先週末、伯母の友人と、DIC川村記念美術館にいってきました。おそらく、はじめての訪問です。

DIC川村記念美術館は、千葉県佐倉市にある私立美術館。(千葉駅から四街道駅まで、電車で12分。四街道駅から美術館まで、車で20分でした)。

「印刷インキ、顔料、ポリマー材などの製造・販売を行うDIC株式会社が、運営を行っている。広大な庭園のなかに建つ美術館で、近現代美術のコレクションとしては、日本でも有数の規模をもつ」ということです。

美術館の建物は、里山のような自然とも融合していて、ヨーロッパの古城、北海道池田町のワイン城を思い出しました。

まず、敷地内の景色のいいレストランで、昼食。パスタプレート(手作りのショートパスタのボロネーゼ、千葉県産野菜のサラダ、紅あずまの冷製スープ、自家製パン)、ハートランド・ビール。

次に、美術鑑賞。ルノアール、モネ、ピカソ、レンブラント、カンディンスキー、シャガールらの作品がありました。平日のせいか、予約制のためか、それほど混んでいなくて、ゆっくり見られました。

それから、庭園散策。池に蓮の花が咲いていました。白鳥もいました。ただ、いかんせん、暑かったです。涼しくなってからいくべきでした。ひさしぶりの美術館への訪問でした。

『アシテジ・マガジン』のオンライン版

ちょっと前ですが、国際児童青少年舞台芸術協会(アシテジ)が、年に1回発行している、『アシテジ・マガジン』のオンライン版が、公開されました。英語と日本語の併記です。

日本からは、森田勝也の挨拶にくわえて、森本真也子、福山啓子、私が寄稿しています。私のエッセイの題名は、「児童青少年演劇と政治-私たちは、協同するべきか」です。世界から、多くの興味深い寄稿もあります。日本のデザイナーさんのレイアウトも、素敵です。

私は、日本のアシテジ・マガジンチームの一員として、編集にもあたりました。マガジンは、基本、世界大会や芸術家集会にあわせて、印刷版の配布となるので、オンライン版を出すのは、異例です。

ただ、5月に予定していた、日本でのアシテジ世界大会が、来年3月に延期となり、とりあえず、集まった原稿でオンライン版を出そうということになりました。(ちなみに、原稿の締切は、昨年末でした)。

英語と日本語の併記なので、翻訳の手配をしなくてはなりません。翻訳は、プロの方に頼みましたが、最終的なチェックは、私が責任をもってやりました。(時間がかかり、チームのみなさんには、迷惑をかけました)。

また、世界のアシテジ・マガジンチームの校正は、かなり細かく、句読点や括弧の記号、太字やイタリックや文字の色、写真のキャプションやレイアウトなど、たくさん指摘されて、対応が大変でした。

それでも、形になると、自分の子どもが生まれたようで、うれしいです。いろいろな人に読んでもらいたいなあと思います。

http://www.assitej-international.org/en/2020/07/assitej-2020-magazine/

『児童・青少年演劇ジャーナル げき』(第20号)

かなり前ですが、児童・青少年演劇ジャーナル〈げき〉編集委員会の雑誌、『児童・青少年演劇ジャーナル げき』の第20号(2018年、晩成書房)を、読みました。

巻末の戯曲以外は、すべての記事に目を通しました。あいかわらず、読みごたえがあったし、読んでいて面白かったです。(読み終えるまで、ずいぶん時間がかかってしまいましたが)。

今回の執筆者も、学校の教員から、児童青少年演劇劇団関係者、研究者まで、いろいろな団体の垣根を越えて集まっていて、いいなあと思いました。

まず、田辺慶一と金平純三による報告、「アシテジ・アーティスティックギャザリング2018」は、私も同行したので、思い出をたどるようにして、楽しく読みました。

次に、森田勝也の「文化芸術基本法と学校教育」は、勉強になりました。『アシテジ・マガジン』の原稿の執筆にも、役に立ちました。

それから、大垣花子と吉川由香子のエッセイも、「日本演劇教育連盟」や「こまの会」の歴史と書き手の関わりがわかって、面白かったです。

あと、国際演劇教育研究学会、ベイビーミニシアターの試み、受賞についてなど、さまざまな報告も、興味深く読みました。

私も、(ブログだけでなく)、もっと積極的に原稿を書いて、投稿しないといけないなあと思いました。