『きみのお金は誰のため』

投稿者: | 2025年4月26日

田内学の本、『きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』(2023年、東洋経済新報社)を読みました。

「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024 総合グランプリ」ということです。本屋で長いあいだ、平積みにされていて、興味をもち、図書館にリクエストをだしました。(ずいぶん、待ちました)。

著者は、金融教育家。1978年生まれ。東京大学工学部卒業。同大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。日本銀行による金利指標改革にも携わる。

2019年に退職してからは、佐渡島庸平氏のもとで修行し、執筆活動を始める。著書に『お金のむこうに人がいる』、高校の社会科教科書『公共』、『10才から知っておきたい 新しいお金のはなし』などがある。お金の向こう研究所代表。社会的金融教育家として、学生・社会人向けにお金についての講演なども行うということです。

キャッチコピーは、「大人も子どもも知っておきたいお金の教養小説!」

ストーリーは、「ある大雨の日、中学2年生の優斗は、ひょんなことで知り合った投資銀行勤務の七海とともに、謎めいた屋敷へと入っていく。そこにはボスと呼ばれる大富豪が住んでおり、「この建物の本当の価値がわかる人に屋敷をわたす」と告げられる。その日からボスによる「お金の正体」と「社会のしくみ」についての講義が始まる」というものです。

眠れない夜に、一気に読みました。面白かったです。お金についての小説なのですが、ラストがかなり感動的で、印象に残りました。

ただ、お金については、どうかなあ。「お金自体には価値がない」、「お金で解決できる問題はない」、「みんなでお金を貯めても意味がない」といわれても、そのまま「そうですね」とは言えない自分がいます。

ただ、「働くとは、お金を稼ぐことではなく、誰かの役に立つこと」というのは、「人は、感謝されるために働く」という、亡くなった父の言葉と重なりました。