『ルポ路上生活』

投稿者: | 2026年1月18日

となりの住宅の解体工事の騒音に耐えかね、近くの図書館に避難しました。(さいわい、研究個室がとれました)。読みはじめたのは、軽い本ということで、國友公司の『ルポ路上生活』(2021年、KADOKAWA)。

私は普段、演劇教育とか児童青少年演劇の本を読んでいますが、ときどき、まったくちがう世界の本を読んでみたくなります。今回は、図書館で借りました。

著者は、1992年生まれ。栃木県那須の温泉地で育つ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライター活動を始める。水商売のアルバイトと東南アジアでの沈没に時間を費やし、7年間かけて大学を卒業ということ。

著者の本では、『ルポ 歌舞伎町』(2023年、彩図社)『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(2018年、彩図社)を、読んだことがあります。読みやすい文章を書く人です。

内容は、「私は東京二十三区の各地で、東京五輪の開会式が行われた二〇二一年七月二十三日から九月二十三日までの約二カ月間をホームレスとして過ごした。具体的な場所を挙げれば、「東京都庁下」「新宿駅西口地下」「上野駅前」「上野公園」「隅田川高架下」「荒川河川敷」の六つのエリアである。そこで見た彼らの生活を、ありのままここに記す」ということです。

今年最初の一気読みでした。まあまあ面白かったです。

わかったのは、「都内のホームレスは飯に困ることはまずない。むしろ、飯を取捨選択する余裕すらある。金を稼ごうと思えばそれとなく稼ぐことはできるし、その金で酒やたばこを買うこともできる」。ボランティアや宗教団体から、炊き出しも、差し入れもあるそうです。

また、「昔のホームレスというのは乞食でしょう。今のホームレスはただ、家がないというだけ」。生活保護も、施設も、ダンボール手帳(東京都などが行う、公園の清掃などの簡単な仕事に参加でき、日当を得られる仕組み)も利用可能だし、日雇い仕事の手配者もいるということ。

「ホームレスの多くは、集団生活やルールが苦手で、誰にも煩わされずに生きたい」と、いまの生活を選んでいるということでした。

JR千葉駅階段下にも、ホームレスはいます。いままでは、「警察や行政が、立ち退かせばいいのに」と思って、見て見ぬふりをしてきましたが、すこしだけ見方を変えました。