『激安ニッポン』

投稿者: | 2024年10月19日

谷本真由美の『激安ニッポン』(2023年、マガジンハウス新書)を、読みました。朝日新聞のネット版で紹介されていて、興味を持ち、図書館から借りてきました。

著者は、著述家。元国連職員。1975年、神奈川県生まれ。シラキュース大学大学院にて国際関係論および情報管理学修士を取得。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界各国での就労経験がある。ツイッター上では「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いツイートで好評を博するとのこと。

キャッチワードは、「日本人だけが知らない、海外との『驚愕の価格差』」。

内容は、「元国連専門機関職員の著者が、『物価も給料も日本はいまだに激安』であること、そしてその安さゆえに『海外から買われている』ことを“忖度抜き”で明かしている」というもの。

2日で、読み終えました。読みやすかったです。著者の経歴から、「タイトルだけの怪しげな本かも」と思っていたのですが、わりとまっとうな本でした。学術的ではありませんが、いろいろなソースからデータをもってきて、世界と日本を比較しています。

iPnone も、マクドナルドのビッグマックも、日本の価格は、世界のなかで最下位近くにあるということ。そういえば、1ドルが160円になったときに、アメリカでは、「野球場のホットドッグが、2,000円」、「有名店でステーキを食べたら、40,000円、かかった」といった記事を見ました。カナダのトロントに調査にいった人も、「家賃が、10年で3倍になっていた」といっていました。

デフレを脱却したとはいえ、日本ではまだ、マクドナルドのハンバーガーが、200円で買えます。牛丼も、500円のワンコインで、おつりがきます。東京もビジネスホテルであれば、朝食付きで、10,000円以下で泊まれます。まだまだ安いといえるでしょう。

「日本の不動産が、投資目的の外国人に、どんどん買われている」、「外国人が、日本にきて、無料で最新医療を受けている」という記事を読んだこともあります。これは、安全保障、国益の保護の点から、もっと規制すべきではないかと思いました。

私は、近い将来、日本で、さらなる円安とインフレが起こると予測しています。「ハワイ旅行は、毎年いくものではなく、一生に1度いくもの」、「海外にいっても、レストランにはいかずに、ホテルでカップヌードルを食べる」というふうになるのかもしれません。