「言語教育研究会」 第53回研究会

投稿者: | 2024年10月21日

かなり前ですが、8月18日(日)は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第53回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。

ZOOMでの開催。参加者は、10人。新しい参加者は、中学校の英語の先生で、いまは大学院で学んでいる方でした。

最初に、近況報告。8月9日(金)-10日(土)に、筑波大学附属小学校で開催された、日本国語教育学会全国大会の感想が多かったです。なかでも、「国語教育における生成AI活用の可能性と課題」というテーマのシンポジウムで、東京大学の酒井邦嘉という先生が、「教育における生成AIは、意味がない」という内容の講演をしたそうで、「刺激的だった」という感想が、複数ありました。

また、「国語教育と英語教育のコラボレーションで、中学校の俳句の合同授業をおこなった」という報告もありました。首藤先生いはく、「意味と言語機能が結びついて、言語教育。僕の授業も、よく『国語の授業でない』と言われる。国語の授業は、母国語のイマ―ジョン。中身は、切り捨てなくていい。2重カリキュラムでないと、言語教育は死んでしまう」ということでした。

次に、テキストの39ページの第2段落を読みました。「フォニックス(英語の発音と、書き言葉の文字の関係を、教える指導法)」についてでした。「フォニックスのプログラムは、標準から外れたとされる方言、接辞がついた派生語の発音のちがいなどに、対応できていない」ということを、例をあげて述べていました。

私は、中学生の時に父の知りあいからもらった語源英和辞典、大学生の時に取り組んだ英語のボキャブラリー・ビルディングのことを、思い出しました。ずっとやると飽きますが、ある時期、有効でした。「フォニックスも、そんなものかもしれない」と思いました。

また、この夏、宮城県の奥松島の観光船に乗って、ガイドの方の説明が、訛りが強くて、半分しか理解できないのだけれど、印象に残ったことを、思い出しました。いまは、「方言は、地方共通語。無理に直さなくてもいいのでは」と思っています。

その他、不登校児への対応について、「いまでは、学校が選べる状況にある。情報提供が大切。事前相談も、可能になっている」といった情報の共有もありました。

楽しい学びの時間でした。