クリスマスの週末の夜、なにかに感動したくて、涙したくて、アマゾン・プライムで、映画、『余命10年』(2022年)を見ました。病院の待合室で、この映画を紹介するテレビ番組を見て、気になっていました。
キャッチコピーは、「彼女は最後の10年を生きる。まるで、人生の始まりみたいに」。ポスターでは、「君と出会って、この世界が愛おしくなった」ということ。小坂流加の原作の小説、コミック版も、読まれているようです。
ストーリーは、「数万人に一人という不治の病で、余命が10年であることを知った二十歳の茉莉。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけはしないと心に決めて生きていた。そんなとき、同窓会で再会したのは、かつて同級生だった和人。別々の人生を歩んでいた二人は、この出会いをきっかけに急接近することに」
「もう会ってはいけないと思いながら、自らが病に侵されていることを隠して、どこにでもいる男女のように、和人と楽しい時を重ねてしまう茉莉。―「これ以上カズくんといたら、死ぬのが怖くなる」。思い出の数が増えるたびに、失われていく残された時間。二人が最後に選んだ道とは・・・」というものです。
はじめから、ボロボロ泣きました。2人の出会いやデートの様子が、フラッシュバックのように流れる演出は、印象に残りました。主役の小松菜奈(普通の女の子というかんじでした)と坂口健太郎、助演の山田裕貴と奈緒も、よかったです。
監督の藤井道人の「四季を通して茉莉の10年を追いかけ、その時彼女が感じた気持ちを映像で表現したい」という強い希望で、1年を通しての撮影が行われ、桜や雪や夏の海はVFXではなく実際の撮影となっているそうです。丁寧なつくりかたでした。
主人公は、ある時から、自分の人生や思いを描く小説を書きはじめます。「私の余命が、あと20年として、後悔のないように、自分の生きてきた軌跡を書き残せるだろうか」と思いました。そして、「この10-15年、目先の仕事に追われて、論文や小説の執筆から遠ざかっていたけれど、また書きはじめよう」と思いました。