「言語教育研究会」 第48回研究会

投稿者: | 2023年12月16日

かなり前ですが、10月14日(土)は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第48回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。

ZOOMでの開催。参加者は、10人。新しい参加者は、いませんでした。

最初に、近況報告。首藤先生は、「8月22日に、千葉市民会館で、小中学校の先生向けに、3時間の講演会をおこなった。15分の休憩中に、『国語を楽しく』を、80冊、買ってもらった。10月には、北海道の釧路で、読解と読書の講演会をおこなった。不登校の子どもたちのための学校訪問もして、NHKのインタビューも受けた」ということでした。

次に、テキストの37ページの第3段落を読みました。「読みのための直接指導」という見出しがついています。(直接指導とは、オレゴン大学のエンゲルマン教授が、1960年から、教材会社と組んで、子どもたちの基礎学力養成を目指した、教師主導型の授業を指すようです)。

「テクノロジーは、テストの高得点者・低得点者、それぞれの学習者向けに、ワークブック、輪転機を使ったプリントなど、いろいろな教材をつくりだしてきた」、「ただ、おかしなことに、たくさんの読みの指導の時間は、実際にたくさん読む活動に充てられているわけではない」

「1-2行の技能ドリルや、フォニックスのドリル、ワークブックの練習のあとは、ほとんど時間が残されていない。書いたり、話したりする時間は、さらに少ない」ということでした。

感想と質問の時間で、私は、朝読書について、現場の経験のある先生方に訊いてみました。私が小中学生の頃、朝の10分間、自分の選んだ本を、黙読するという活動を取りいれていた先生がいました。教室は落ち着くし、読書の苦手な子どもたちには、いいきっかけかもしれないと思いましたが、みじかい時間で区切られる読書には、違和感も覚えました。

回答では、「朝読書は、学校、学年、学級、あるいは曜日により、取りいれかたはちがう」、「帯単元で、1分間スピーチ、Show & Tell、視写、日記、ドリルなど、取りいれる教師もいる」。「大事なのは、子どもを見て、ねらいを明確にして、おこなうこと」、「教師も、いっしょにするのが大切」といった意見がでました。

また、高校の文学の授業についての質問がでて、首藤先生いはく、「文学の読解の授業やテストは、いらないのでは。意味調べや音読は、取りいれてもいいけれど」、「文学も、美術といっしょで、テストしにくい」、「山は川ではないし、川は山ではないけれど、山や川のイメージは、千差万別」ということでした。なるほど。

楽しい学びの時間でした。