ジャック・ゴールドステイン(作)、長友恵子 (訳)の絵本、『せんそうがおわるまで、あと2分』(2023年、合同出版)を、図書館から借りて、読みました。
在日カナダ大使館広報部のメールマガジンで、紹介されていて、興味をもっていました。
ジャック・ゴールドステイン(作者)の作品は、『おなじ星をみあげて』を、読んだことがあります。佳作でした。
長友恵子(訳者)は、訳書に『住所、不定』(岩波書店、2022年)、『ぼくだけのぶちまけ日記』(岩波書店、2020年)など、多数。紙芝居文化の会運営委員。JBBY(日本国際児童図書評議会)、やまねこ翻訳クラブ会員ということ。
ストーリーは、「ジュールとジムは、同じ日に同じ村で生まれた幼なじみ。ジュールより2分早く生まれたジムは、いつもジュールより速く、強く生きてきました。第一次世界大戦がはじまり、2人は兵隊に行きます。
しかし戦場は壮大で輝かしいものではなく、泥まみれでみじめなものでした。いよいよ戦争をおわらせることは決まりましたが、11月11日11時、その時までジュールとジムは戦場へ出向くことを命じられます。そして-」というものです。
「実際の出来事から着想を得て作られた、シンプルなメッセージが深く心に残る絵本」ということです。20分で、読めました。絵本ですが、かなりリアルな戦争が描かれます。訳者のあとがきも、現実的です。
「訳者は、ここ数年、この平穏なくらしがいつまで続くのかしらと、ふと不安に思うようになりました。海外ではロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮の核実験とミサイル発射、中国船の日本領海内での不審な航行、タリバンの台頭などがあります。国内では、つい最近、防衛費増額が決められました」
もしかしたら、この絵本は、子どもだけでなく、現代の大人に向けて書かれたものかもしれません。