かなり前ですが、日本演劇教育連盟編集の機関誌、『演劇と教育』の第707号(2019年1+2月号、晩成書房)を、読みました。
特集のテーマは、「演劇に出会ってよかった!-子どもたちを支える演劇活動」。
まず、奥地圭子の「フリースクールと演劇活動」。東京シューレでの表現活動(演劇や映画)について、まとめています。不登校になる子どもたちは、どこかで居場所や承認をもとめている。そして表現活動は、自分たちのことをふり返るよい機会なるのだなと思いました。
次に、板倉哲のインタビュー、「演劇は『雨宿りでの焚火』-子ども・若者支援の場での演劇ワークショップを通して」。青年劇場の俳優・演出家である話者が、知的障害者を対象とした朗読教室、定時制高校、若者自立支援ルーム、フリースクールでの演劇ワークショップについて、話しています。
印象に残った部分。「もしもこども食堂やフリースクール、若者支援ルームを『雨宿り』の場にたとえるなら、私たちが提供している演劇WSは『たき火』なのかもしれません。凍えた体を温めて元気を取り戻す手助けになれたらと思います。あ、ただし距離を間違えて火傷をしないように」
この2人の共通点は、「演劇はセラピーとはちがう」と言っているところです。なるほどと思いました。
それから、小特集の玉村徹の「生徒講評活動のめざすところ」も、本音が書かれていて、面白かったです。中学生や高校生の演劇大会の講評を、紙面で読みたいとは思いませんが。