昨日、なにもする気がなくなって、パソコンの画面で、アマゾン・プライムで、映画、『理想郷』(2022年、スペイン・フランス)を見ました。近所のミニシアターで、かなり長いあいだ、上映されていて、興味を持っていました。
「第35回東京国際映画祭にて、最優秀作品賞にあたる東京グランプリのほか、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞の主要3部門を獲得」、「フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴは、“今年観た中で最も強烈な映画でした”と本作を高く評価した」ということです。
「スペイン全土に激震が走った実際の事件をベースに映画化」とのこと。
ストーリーは、「スペインの星空が美しい緑豊かな山岳地帯ガリシア地方の小さな村に移住したアントワーヌとオルガのフランス人夫婦は、有機栽培で育てた野菜を市場で販売し、点在する廃墟を修復して過疎化が進む村を活性化させようとしていた。
しかし村人たちは慢性的な貧困問題を抱え、新参者を受け入れる技量がなく、隣人から嫌がらせを受ける。そんな中、風力発電プロジェクトをアントワーヌが反対。隣人との敵対関係がさらに激化してしまい…」というものです。
フランス人夫婦が、見晴らしのいいテラスで、楽しそうに、生ハムとパンと赤ワインの昼食をとるシーンと、アントワーヌが、地元の酒場で、新参者として馬鹿にされ、仲間外れにされるシーンの対比が、印象的です。
ハッピーエンドではないのですが、いろいろ考えさせられました。
私は、「理想郷」というのはないと思っています。人間は、自分の利益(お金、商品、愛人、権力など)のためには、嘘をつくこともあるし、自分の信条(宗教、文化、言語、政治など)のためには、人を殺めることもあります。
それは、田舎においても、同じです。「田舎の人は、みんな顔見知りだし、犯罪など起こらない」と言う人がいます。ただこの夏、私の九十九里の実家では、エアコンの室外機4台が、盗難にあいました。
「理想郷」は、見つけるものではなく、自分でつくっていくものかもしれません。