かなり前ですが、10月30日は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第42回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。
ZOOM での開催。参加者は9人。新しい参加者は、いませんでした。
最初に、近況報告。首藤先生は、「8月末に、本の原稿を脱稿した。それから、200-300くらい、朱をいれた。再校でも、100以上、朱をいれた。第3校で終えたい」ということでした。
次に、テキストの35-36ページを読みました。「ホールランゲージは、次のことを拒否する」という書き出しで、6つ並んでいました。「系統だった技術のとりたて指導をする」、「読むことと書くことを、学年で輪切りにする」、「文の構造や語彙、フォニックスのパターンで、教材を簡単に直す」
「サブ・スキルのテストの点数と、読むことと書くことを、同じものとして見る」、「読むことと書くことの指導を、学習や実際での使用から、分離する」、「『身体的および知能的な理由で、読むことと書くことの学習が難しい学習者が、かなりいる』と信じる」。
私は、テキストを読みながら、大学での英語の授業を思い出していました。そのなかには、「ボキャブラリー・ビルディング(語彙の増強)」や「フォニックス(発音と文字の関係性を学ぶ音声学習法)」の授業もありました。それだけを続けると、飽きてしまうのですが、英語力はついた気もします。
首藤先生いはく、「まるごとの指導のなかに、ちょこっと、とりたて指導をいれるのは、新鮮かもしれないね」ということでした。
また、多読の授業で、前期は、限られたレベルの単語で書かれたミステリー小説を読み、後期は、「老人と海」とか「チップス先生、さようなら」とか、まるのままの小説を読んだことも、思い出しました。おそらく、その先生は、まず一気に読むことに慣れさせて、それから名作といわれる小説にまるごと触れさせたかったのだろうと思います。
それが正しい指導だったのかは、わかりませんが、当時の私には、合っていたような気もします。
また、質疑応答では、日本の学習指導要領についての話もでました。首藤先生いはく、「学習指導要領づくりは、大変。『小学校時代に目指すもの』といった、大雑把なかんじでいいのでは」ということでした。カナダのオンタリオ州の小学校の学習指導要領が、3学年くらいごとに分かれていたのを思い出しました。
その他、学習評価の話などもでたのですが、ちょっと記憶が曖昧です。やはり、すぐにまとめないと、忘れてしまいますね。
楽しい学びの時間でした。