昨日は、レンタルした DVD で、『ハンナ・アーレント』(2012年、ドイツ・ルクセンブルク・フランス)を見ました。WOWOW で、途中まで見たことがあるのですが、なぜか途切れてしまい、見たいと思っていた映画です。
ハンナ・アーレントは、ドイツ出身のユダヤ人で、アメリカ合衆国に亡命した哲学者、思想家。おもに、政治哲学の分野で活躍。全体主義を生みだす大衆社会の分析で知られるそうです。大学時代は、マルティン・ハイデッガーと、不倫関係にあったとか。
1963年、ニューヨーカー誌に、ナチ戦犯の裁判のレポート、『イエルサレムのアイヒマン-悪の陳腐さについての報告』を発表し、大論争を巻き起こします。映画の舞台は、この頃のハンナです。実話に基づくものだそうです。
映画の根底に流れるのは、「思考」というキーワードです。ハンナは、「考えることで、人間は強くなる」という信念をもっています。大学での8分間のスピーチは、見事でした。研究者は、自分で思考し、安易に持論を曲げてはいけないということを学びました。
主演のバルバラ・スコヴァは、よく演じていました。脚本もよかったです。佳作です。