『演劇と教育』(第672号)

投稿者: | 2015年4月29日

日本演劇教育連盟編集の機関誌、『演劇と教育』の第672号(2015年3月号、晩成書房)を、読みました。

特集は、「声優になりたい!」。「将来は、声優になりたいと思っています」と、演劇部に入部してくる生徒が増えているそうです。ただ、専門学校などで声優養成を受けても、そのほとんどは声優になれないとか。

その内的要因として、「高校において、学業成績についての自己評価の低い生徒が、将来の職業選択において、学歴を必要としない著名人(ミュージシャンや俳優やプロスポーツ選手)といった職業を志向しやすい」という分析。

また、外的要因として、「夢を追うことを是とする言説の社会的興隆や進路指導があり、学歴不問で人気はあるが、簡単にはなれない職業を目指す若者の創出を助長した」という分析は、興味深かったです。

それから、「声優には基本的に顔の露出がない。俳優のような運動能力も求められない。できるだけ現実の自分をさらすことなく、賞賛をもらいたいという、若者の気持ちにあっている」という指摘も、なるほどと思いました。