先週末は、テレビで録画しておいた映画、『秒速5センチメートル』(2007年)を見ました。
『君の名は。』の新海誠が、監督、原作、脚本、絵コンテ、演出までを手掛けた、アニメーション映画です。『雲のむこう、約束の場所』に続く、第3作目の劇場公開作品とか。題意は、「桜の花びらが舞い落ちる速度」。
惹かれ合っていた男女の時間と距離による変化を、短編3話の連作構成で描きます。(最初は、それぞれ別作品だと思っていました)。
卒業と同時に離れ離れになった、少年少女の淡い恋を描いた青春ラブストーリー。小学校の卒業と共に離れ離れになった、少年・貴樹と少女・明里。互いに特別な思いを抱きながらも伝えられず、時間だけが過ぎていく。
2人の再会を描いた、「桜花抄」。少年・貴樹を別の人物の視点で描いた、「コスモナウト」。2人の恋の行方を描いた、「秒速5センチメートル」。
恋心を打ち明けたいと思いながら、なかなか言い出せないシーンは、胸がきゅんとなりました。大人になって、このようなシーンを描けるのは、稀有だと思います。(漫画家では、吉田秋生などが、これにあたります)。
大人向けのアニメ映画の佳作でした。(駅や空の風景描写が緻密なのに、登場人物の描写はどうして単純なのかという、疑問は抱きましたが)。それと、ラストに流れる、山崎まさよしの「One more time, One more chance」は、泣けました。