又吉直樹の小説、『劇場』(2017年、文藝春秋)を読みました。
芥川賞受賞後の第2作。NHKのドキュメンタリーで、「お笑いの仕事をしながら、身を削るようにして、小説を書く」様子を見て、読みたいと思っていました。(図書館にリクエストしてから、借りられるまで、6か月くらい待ちました)。
演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った。夢と現実のはざまにもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説ということです。
半分読んだところで、すこし疲れてきたのですが、「ここは一気にいこう」と続けて、読み終えました。主人公の心理描写、元劇団仲間と演劇論をかわす部分は、ちょっとくどいと思いましたが、ラストの長台詞は泣けました。
それにしても、ひさしぶりの小説でした。ほぼ1年前に読んだ、村田沙耶香の『コンビニ人間』以来だと思います。
読後は、余韻に浸りたくて、深夜のコンビニでお弁当を買い、部屋でビールを飲みながら、ネットのレビューを読みました。高校時代、週に2冊の小説を読んでいた頃を、ちょっと思い出しました。