エラ・フランシス・サンダース(著)、前田まゆみ(翻訳)の『翻訳できない世界のことば』(2016年、創元社)を読みました。大学の授業で、学生に紹介するためです。
著者は、20代のイラストレーター。さまざまな国に住んだことがあり、最近ではモロッコ、イギリス、スイスなど。2013年、ブログに、「翻訳できないことば」というイラスト入りの短い記事を投稿する。
この記事を目にしたアメリカ在住の編集者が、著者にツイッターで書籍化の話を持ちかける。彼女は即刻OKのツイートを返し、大陸を隔て、『LOST IN TRANSLATION』が生まれることとなったそうです。
「外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。本書は、この『翻訳できない言葉』を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集」。
「言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。ニューヨークタイムズ・ベストセラー」ということでした。
寝る前に、6-8ぺージくらいずつ読んでいって、2か月ちょっと、かかりました。まあまあでした。「大人向けの絵本」といったかんじです。
「FORELSKET (ノルウェー語)-語れないほど幸福な恋におちている」。「COMMUOVERE (イタリア語)-涙ぐむような物語にふれたとき、感動して胸が熱くなる」など、いいかんじです。
日本語の「ボケっと」、「積ん読」、「木漏れ日」、「わびさび」も、ふくまれていました。
翻訳の楽しさや難しさを考える意味でも、興味深い本でした。機会をみて、授業で紹介しようと思います。