7月14日(金)は、新宿の芸能花伝舎で開催された、文化庁、日本児童・青少年演劇劇団協同組合主催の講座、『インクルーシブアートを学ぶ~「障がい者とアート」~』に、参加してきました。参加者は、50人くらい。
「インクルーシブアート」というのは、直訳すると「包括的芸術」、あるいは「包摂的芸術」。障がいのあるなし、年齢や性別や国籍などに関わらず、誰もが参加できる芸術活動のことをいいます。
講師は、イギリスのダリル・ビートン(Daryl Beeton)さんと、ビッキー・アイランド(Vicky Ireland)さん。ダリルさんは、俳優、演出家。ロンドン・パラリンピックのオープニングで、弾力性のある棒を使い、飛ぶ回るパフォーマーとして出演したそうです。
ビッキーさんは、演出家、劇作家、俳優。アシテジUK理事。障がい者芸術を児童青少年に紹介するためのプロデュースをしているということです。
2人とも、アシテジ(国際児童青少年演劇協会)の国際包括的芸術ネットワーク(IIAN、International Inclusive Arts Network)の主要メンバーです。
最初は、ダリルさんの講演でした。生まれつき、足が悪く、学校でもスポーツに参加できなかったが、10歳の時に演劇に出会ったそうです。大学では、障がいと政治について、興味を持ったとか。それから、障がい者による劇団を結成したそうです。
「障がいは、社会によってつくられる。たとえば、私が学校でスポーツに参加できなかったのは、人々の考えかたや態度のせい。ビルに登れなかったのも、足のせいではなく、階段があったせい」と語っていました。なるほどと思いました。
また、「世界人口の15%、10億人は障がい者。ただ、45か国しか、反差別、障がい者のための法律を制定していない」ということでした。
2012年のロンドン・オリンピックとパラリンピックは、アクセスとインクルーシブの向上の機会になったそうです。スポーツや芸術の分野で、社会的インフラと意識が変わったとか。それが、2020年の日本でも起こりうるということでした。
「インクルーシブアートは、発展途上だが、メインストリームにも、影響を与えている。私たちはいま、壮大なショーを見ているのかもしれない」ということでした。
「大きなテーマについて考えるには、個人の歴史を辿るのも、役に立つかもしれない」と語っていましたが、まさにそうだと思いました。
次に、ビッキーさんから、アシテジの国際包括的芸術ネットワークの紹介がありました。ボランティアによる、オンラインを中心としたコミュニティということです。(誰でもはいれます。私も会員です)。