還暦(60歳の誕生日)を迎えて③-カナダの教育の研究者としての仕事

投稿者: | 2024年12月15日

私は、「フリーで、演劇教育の研究をしているということですが、具体的に、どういうテーマで研究をしているのですか」と訊かれたときに、「カナダの演劇教育、とくに演劇教員養成課程に興味を持っています」と答えるようにしています。

ロータリー財団奨学生として、カナダのトロント大学・オンタリオ教育研究所で、聴講生として研究をはじめたとき、トロントの幼稚園から大学院まで、30校の学校を訪問して、授業を見学して、教員にインタビューをしました。それを、千葉大学大学院の修士論文にまとめました。

その後、カナダ政府奨学生として、トロント大学・オンタリオ教育研究所の博士課程で、研究を継続するのですが、テーマは、「カナダの演劇教員養成課程―トロント大学・オンタリオ教育研究所の事例研究」でした。

また、いろいろと機会をいただき、日本の国立教育研究所(現在は、国立教育政策研究所)の在外研究員として、「学校と地域社会との連携」や「メディア・リテラシー」といった研究プロジェクトで、カナダを担当したり、『多文化教育の国際比較』という本で、ジム・カミンズ(カナダの言語教育学者)のエンパワーメント理論を紹介したりもしました。

日本カナダ学会の会員として、研究奨励賞(佳作)をいただいて、年次研究大会で発表をしたり、カナダ教育研究会(現在は、カナダ教育学会)の創設メンバーに加わったりもしました。いまでも、カナダ教育学会の理事に、名前を連ねています。

ただ、ここ数年、「カナダの教育の研究からは、そろそろ離れてもいいかなあ」と思っています。「やれることは、やったかなあ」というかんじです。地域研究では、現地調査が必要ですが、フリーの立場で、研究費の支給がない現状では、カナダへの渡航費や宿泊費の負担も、きついです。

それと、お世話になったカナダの恩人(研究指導を受けた、デイヴィッド・ブース先生とか。授業の参与観察をいろいろ配慮してくれた、ラリー・スウォーツ先生とか。ロータリアンのボブ・スミスさんとか)はいますが、顔を見たくないカナダ人もいます。(どの国でも、同じでしょうが)。

前回のトロント訪問は、2014年の夏。もう10年前のこととなりました。