弘兼憲史の本、『弘兼流 60歳から、好きに生きてみないか』(2022年、 三笠書房)を読みました。
「60代」というキーワードで検索して、見つけた本の1冊です。本田健の本、『60代にしておきたい17のこと』(2013年、大和書房)、郷ひろみの本、『黄金の60代』(2020年、幻冬舎)に続いて、3冊めです。
弘兼憲史は、1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒業。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年に『風薫る』で漫画家デビュー。
その後『人間交差点』で小学館漫画賞(84年)、『課長 島耕作』 で講談社漫画賞(91年)、講談社漫画賞特別賞(2019年)、『黄昏流星群』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(00年)、日本漫画家協会賞大賞(03年)を受賞。
私は、漫画の『島耕作』のファンで、シリーズは全巻、読んでいます。著者は漫画の他に、60代や70代に向けて、何冊か生きかたに関するエッセイを書いていますが、比較的新しくて、レビューの多かった、この本を選びました。
内容は、「60代は「新しい青春」の始まりです。人間関係や生きがい、遊び、お金、健康などについて、60代を思い切り楽しむためのヒントをまとめました」というもの。
1日10分ずつ、読んでいって、1か月ちょっとで、読み終えました。本や映画、いろいろな人の言葉がでてきて、著者の博識ぶりが、想像できます。また著者が、充実した60代を過ごしたらしいこともわかります。
ただ、講演を聴いているようで、記憶に残る事柄は、少なかったです。印象に残っているのは、小説家の三田誠弘のエッセイからの引用。老後の哲学として、3つ。
①愉しく働く。可能なかぎり働き続ける。②自分の居場所を確保し、生きることの充実感を維持する。③少ない費用で喜びを得られる文化的な趣味を持つ。
なるほどと思いました。あと、著者の「経済」について、「死ぬ前日にポケットに残っている最後の硬貨で缶ジュースを買い、グイッと飲んで人生を終える」、そして「体力」について、「昨日まで仲間と楽しく語らい、その翌日に亡くなっている」のが理想というのは、頷けました。
あとは、「旅行にいくときは、必ず下調べをする」、「観劇や展覧会では、イヤホンガイドを聴く」、「60代からの恋をしよう」、「80歳までは薬に頼らない」というのは、そうしようと思いました。
80歳まで生きるとすると、あと20年あります。まだまだ、新しいことに挑戦していきたいと思います。