かなり前ですが、10月27日(日)は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第54回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。
ZOOMでの開催。参加者は、6人。新しい参加者は、いませんでした。
最初に、近況報告。首藤先生は、「10月20日、柏のハックルベリーブックスのトークイベント、『国語を楽しむ、辞書を楽しむ』は、定員オーバーで盛況だった。また、6月から毎月、ネットで(みんなでつくる園の未来! – 「保育ナビ」 – フレーベル館)で、コラムを書いている」ということでした。
次に、テキストの39ページの第3-4段落を読みました。「より科学的なフォニックス(英語の発音と、書き言葉の文字の関係を、教える指導法)」の方法でも、読み書きの指導法としては、十分ではない。フォニックスでは、文字は音声に、音声は文字に記号化される。意味のある言語は、つくられない」
「そのかわり、子どもたちは、書くことを学ぶときに、アルファベットの原則を発見する。彼らは、ルールをさがす。それらは、発見スペリング(invented spelling)につながる。彼らは読むときに、標準化されたスペリングに注目するようになる。うまくいかないときは、とりあえず自分のルールを棚上げする。そして、書くときに、慣習的なスペリングへと向かうようになる」ということでした。
「たしかに、演劇のワークで使われるジブリッシュ(意味のない言葉)は、聞いていて、あまり面白くないなあ」と思いました。
首藤先生いはく、「ナンセンス歌も否定はしないが、意味や内容を大事にするのが、基本。形式は、内容に奉仕する」、「ときには、棚上げ、保留する(suspend)ことがあってもいいのでは」、「文法を教えないで、データをたくさん見ながら気づいていくのは、時間がかかるけれど」ということでした。
私は、イギリス留学中、小学校を教育実習生といっしょに回り、ある3年生の女の子から、ラブレターをもらったことを思い出しました。どう対応していいかわからなくて、とりあえず「スペルミスがあるね」と返したら、ものすごく悲しそうな顔をしました。いま思うと、「スペルミスは棚上げして、『ありがとう』と言って、受けとればよかったなあ」と思います。
また、子どもたちには、選挙演説で相手を攻撃するような言葉ではなく、できるだけたくさんの心が温かくなるような言葉に、ふれさせてあげたいなあと思いました。
楽しい学びの時間でした。