『マネーロンダリング』

投稿者: | 2024年5月5日

橘玲の『マネーロンダリング』(2002年、幻冬舎)を、読みました。渡邉美樹が、ラジオの番組で著者を紹介していて、興味を持ち、図書館から借りてきました。

橘玲は、2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』が30万部を超えるベストセラーに。06年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞ということです。

ストーリーは、「香港在住のファンドマネジャー工藤秋生は、脱税を目的としたもぐりのコンサルタント業をしていた。ある日、彼に5億の脱税指南を依頼した若林麗子が消えた。5億ではなく、50億の金とともに…」というもの。

アジアでも屈指のオフショア金融センターであった香港と日本を舞台に繰り広げられる国際金融情報小説なのですが、端々に出てくる情景や設定、金融実務の話がリアルで、かつての香港での金融実務の現実を知ることができます。

400ページを超える本ですが、2日間で読みました。すこし古い本ですが、面白かったです。(複雑に絡んだ結末は、ちょっと無理な展開の気もしましたが)。

私は、みずほ銀行にカナダドルとアメリカドルの普通預金口座を持っていますが、開設するときは大変でした。入手先から使い道まで、こまかく訊かれ、それぞれ1時間くらいかかりました。「マネーロンダリングの規制があるので」という理由でした。

また、私の高校の同級生は、日本の生命保険会社に就職して、香港に長期研修にいったと聞きました。バブル真っ盛りの頃です。エキサイティングだったろうなと思います。(現在の香港は、中国の支配下にあり、あまり興味はありません)。

ひさしぶりに、ミステリー小説を読んだ気がします。