『賞味期限のウソ』

投稿者: | 2022年5月28日

井出留美の『賞味期限のウソ-食品ロスはなぜ生まれるのか』(2016年、幻冬舎)を読みました。渡邉美樹のラジオ番組で紹介されていて、興味をもち購入しました。

購入したのは2017年で、それから5年間、積読だったのですが、今回は、本棚の整理と、「仕事と関係のない本を読みたい」と思い、読みました。一気読みでした。

著者は、食品ロス問題専門家、消費生活アドバイザー。女子栄養大学・石巻専修大学非常勤講師。日本ケロッグで広報室長と社会貢献業務を兼任し、東日本大震災の折には食料支援に従事する。その際、大量の食料廃棄に憤りを覚え、自らの誕生日であり、人生の転機ともなった3・11を冠した(株)office 3.11を設立。日本初のフードバンク、セカンドハーベスト・ジャパンの広報の委託もされたということです。

内容は、「卵の賞味期限は通常、産卵日から3週間だが、実は冬場なら57日間は生食可。卵に限らず、ほとんどの食品の賞味期限は実際より2割以上短く設定されている。だが消費者の多くは期限を1日でも過ぎた食品は捨て、店では棚の奥の期限が先の商品を選ぶ。小売店も期限よりかなり前に商品を撤去。その結果、日本は、まだ食べられる食品を大量に廃棄する「食品ロス」大国となっている」というものです。

賞味期限と消費期限のちがい、日付後退品(日付逆転)問題、欠品問題など、勉強になりました。国レベルでは、フランスの「食品廃棄禁止法」(大手スーパーの売れ残り食品廃棄を禁止した)も、見習いたいなあと思いました。個人レベルでは、「買い物では、すぐ食べるものは手前(賞味期限が近いもの)から取る」ことから始めようということ。

私も、コンビニで納豆や豆腐を買ったり、スーパーで卵やヨーグルトやパンを買ったりするときは、いつも奥のほうから取っていたのですが、「すぐ冷凍するパンなどは、手前から取ろうかな」と思いました。「消費者は知らずに廃棄のコストを負担させられている」ということですから。