『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』

投稿者: | 2021年6月13日

すこし前ですが、室橋裕和の『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』(2020年、辰巳出版)を、読みました。

手塚マキの『新宿・歌舞伎町 人はなぜ< 夜の街 >を求めるのか』にひき続き、「コリアンタウンがあるという、新大久保についても知りたい」と思い、図書館から借りました。

著者は、週刊誌記者を経てタイに移住。現地発の日本語情報誌に在籍し、10 年にわたりタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしているということです。

366ページの本ですが、4日で読みました。面白かったです。

内容は、「いま、「新大久保」が大きな注目を集めています。日本を代表するコリアンタウンとして、週末ともなれば身動きが取れないほどの人出となっています。ただ、同時に新大久保は「移民」の街、増加し続ける外国人を受け入れる日本有数の国際都市ともなってきました」

「この数年、新大久保ではベトナム人、ネパール人をはじめとして、東南アジア、インド周辺、中東、中国などさまざまな人が学び、働き、暮らすようになっています」ということでした。

読んでいて、「私が10年間くらい留学した、カナダのトロントに似ている」と思いました。そして、「ひとりで住むぶんには、興味深いかもしれないが、家族と住むことはないだろうな」と思いました。

カナダは、多文化主義を、とっています。「自分たちの祖先が持っている言語や文化を、そのまま継承していいよ。それが、カナダの社会をより豊かなものにしてくれる」という考えかたです。

ただ、多文化主義には、お金も手間も時間も、かかります。わかりやすいところでは、「ゴミ出しの方法を、5か国語で説明するビラをつくる必要があるのか」、「一部屋に多人数で住んだり、スパイスのきつい料理をしたり、夜中に大声で騒ぐことを控えてくれと、日本語のわからない外国人に、どう伝えたらいいのか」、「小学校や中学校、図書館に、外国語のできるスタッフを配置する必要があるのか」ということです。

私は、「外国に留学や移住をするのであれば、最低限、その国の言語を理解し、その国の文化を尊重するのが、条件だろう」と思っています。

新大久保。コロナ・ワクチンを接種したら、泊りがけで、いきたいなと思います。1日目は、コリアンタウンで、ハットグを食べながら散策し、夕食は、チーズ・タッカルビ。2日目は、バインミーとエッグ・コーヒーでくつろぎ、夕食は、ケバブをベトナムビールで胃に流しこみたいです。