ちょっと前ですが、6月3日(日)は、代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで、(公益社団法人)日本児童青少年演劇協会の平成30年度定期総会がありました。
いつもどおりの議事のあと、堀真一郎さんの『体験学習が学校を変える』という講演がありました。その感想を書いておきます。
堀さんは、京都大学教育学部卒。元大阪市立大学教授。A・S・ニールおよびジョン・デューイに強い影響を受ける。「学習がいちばん楽しいといえる学校を」ということで、イギリスのサマーヒル・スクールを範として、1992年、和歌山県に、きのくに子どもの村学園小学校を設立。
その後、福井県勝山市、山梨県南アルプス市、福岡県北九州市でも、きのくに子どもの村小学校・中学校を設立。スコットランドにも、分校をもっているということです。常勤職員、92名。児童生徒、610名。
今回の講演は、成城小学校で、長いあいだ演劇を教えてきた、木村たかしさんが、南アルプス子どもの村小学校・中学校で、演劇を教えはじめたことも、理由のひとつとか。興味をもって、のぞみました。
きのくに子どもの村学園の特徴としては、「学年の壁、教科の壁、学校のまわりの壁、教員の給与の差がない」というのがあるようです。
完全な縦割り学級編成で、体験学習(プロジェクト)が中心。工務店、クラフトショップ、料理、農作業などのプロジェクトが人気ということでした。子どもたちは、滑り台をつくったり、過疎について調べて本を書いたり、劇をつくったりしてきたそうです。
1時間30分、講演を聴きおえた感想は、「現在の多くの学校に足りないものを実践しているが、これらの学習機会は、家庭や地域で提供するべきではないか」というものでした。
「とくに小学校段階では、きのくに子どもの村学園のように、プロジェクト学習を増やしてもいいだろう」とは思いましたが。それから、「学力の問題は、卒業生の大規模な追跡調査が必要だろう」とも思いました。
それにしても、ここ数年、私のまわりで、フリースクールや理想の学校を目指した活動が、増えている気がします。