一昨日は、近くのシネマ・コンプレックスで、『この世界の片隅に』(2016年)を見てきました。SNSのレビューがとてもよく、昨年末から見たいと思っていたのですが、ようやく見られました。(ファーストデーで、1100円でした)。
原作は、こうの史代の漫画。(彼女の漫画は、『夕凪の街 桜の国』を読んだことがあります。佳作です)。また、「2016年 キネマ旬報 日本映画 第1位」ということ。そのせいか、公開からかなり時間がたっているにもかかわらず、そこそこ混んでいました。
ストーリーは、18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。良いも悪いも決められないまま話は進み、1944年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まる。
夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。
1945年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。そして、昭和20年の夏がやってくるというものです。
涙を流すというほどではなかったですが、よかったです。戦前・戦中・戦後の生活を描いているのですが、印象に残ったのは、戦争の悲惨さよりも、すずさんの日常の生活でした。とくに、大根や薩摩芋、野草や目刺しで、工夫した料理をつくるシーンは、秀逸でした。
それから、主人公すずさんの声は、女優・のん。ぴったりで、すばらしいキャスティングだと思いました。
あと、この映画の制作にあたっては、クラウドファンディングで、3000人以上のサポーターから、4000万円ちかいお金が、集まったそうです。芸術や文化に、お金が集まるのはいいことだと思います。