日本カナダ学会の紀要、『カナダ研究年報』の第35号(2015年)を、読みました。読んだといっても、書評を2本、目を通しただけですが・・・。
まず、浪田克之介による、『ケベックとカナダ-地域研究の愉しみ』(竹中豊、2014年、彩流社)の書評。
「ライシテ」(フランスにおける、政教分離、良心と信教の自由、国家の中立性、モラルの対等性などの原則、政策)という言葉を、はじめて知りました。
フランス語文化が強く維持されている、カナダのケベック州では、「開かれたライシテ」という思想が、広まっているそうです。
また、「インターカルチュラリズム」(フランス語を「アイデンティティの基盤としての言語」と位置づけながらも、マイノリティ文化の温存、文化的多様性を尊重するという考えかた)の復習もしました。これもケベック州で、広まっている思想です。
次に、平田淳による、『メディア・リテラシー教育における「批判的」な思考力の育成』(森本洋介、2014年、東信堂)の書評。よく読みこんで、理解していると思いました。
最近、レビュー論文を書いてわかったのですが、本の内容をよく咀嚼・消化しないと、きちんとした紹介文は書けません。
それにしても、気づかないうちに、紀要の類が溜まっています。この春休み、できるだけ読んでいこうと思います。