オーハス ヨースケの『ゼロ秒で相手に伝わる「立ち位置」の法則』(2015年、かんき出版)を、読みました。
著者は、早稲田大学を卒業後、言葉を使わずに体の動きだけで伝える不思議なお芝居「身体詩」を確立し、世界24か国・50都市を駆け巡った人です。また、2006年には、文化庁の支援を受けて、イギリスのチェスター大学のアレン・オーエンズのもとで、演劇教育を学んでいます。
現在は、公演を続けると同時に、大学や専門学校、セミナーなどで、ワークショップをおこなっているようです。
私は、ここ5年くらい、毎年4月、著者がコーディネイトして、日本児童青少年演劇協会が主催する、オーエンズのアプライド・ドラマのワークショップに参加しています。
この本も、最初は演劇教育の本かと思って読みはじめたのですが、もうすこし幅広い読者に向けて、「立ち位置とコミュニケーション」について書かれた本でした。
「同じ言葉でも、相手に対して立つ位置=「立ち位置」によって、言葉の意味は変わる」
「相手に対して、物理的にどの「立ち位置」に立っているのか。そして心の中はどの「立ち位置」に立っているのか。たったこの2点を意識するだけで、言葉の内容に必要以上にとらわれなくても、すべてはうまく回り出す」ということです。
読みやすかったです。ただ私は、この本を、ハウツー本というより、著者の学びの記録として読みました。知っている人の本を読むというのは、またちがった読みかたができるようです。