『よくわかる翻訳通訳学』

投稿者: | 2015年11月11日

鳥飼玖美子編著の『よくわかる翻訳通訳学』(2013年、ミネルヴァ書房)を、ぱらぱらと読みました。大学の授業で、学生に紹介するためです。

編者は、日本人の同時通訳者の草分けで、大学でも教えているようです。ラジオの英語番組も、長く担当したとか。

「翻訳通訳学(Translation Studies)」は、欧米で、1970年代から盛んになったそうです。日本では、1990年代から理論研究が始まり、2000年になって学会が設立されたとのこと。

「翻訳通訳学」は、「翻訳と通訳の現象と理論に関する研究」で、「起点言語と目標言語との間に生起する訳出行為について、多角的かつ多層的に考察する学問」ということです。

おもな研究対象として、「原著者/原発言者が生み出すテクスト/メッセージと、訳者が生み出す訳出物との関係、それらを取り巻く社会文化的コンテクストとの関連」があるとか。

それから、訳出の方法としては、大きく分けて、4つ。「逐語訳(1語ずつ。聖書の翻訳など)」、「直訳(2語以上を単位。詩の翻訳など)」、「意訳(内容を重視。小説の翻訳など)」、「自由訳(さらに自由。アニメの字幕など)」があるということでした。