かなり前ですが、8月28日は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第35回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。
ZOOM での開催。参加者は9人。新しい参加者は、いませんでした。
最初に、自己紹介と近況報告。現場の先生方からは、コロナによる、「電子黒板を使っての始業式」、「オンラインやオン・デマンドの授業の準備」など、大変な様子が紹介されました。
次に、テキストの31-32ページを読みました。「教育課程を貫く言語というのは、初等学校では、達成しやすいが、教科ごとに分かれる中等学校では、易しいことではない。それでも教師は、2重カリキュラムの概念について、考える必要がある」
「国語教師、図書館司書、読み書き専門の教師などは、他の教師と、チーム・ティーチングをすることも、考える必要がある」ということでした。
カナダの初等学校で、演劇専門教師が、学級担任の教師と、チーム・ティーチングをしていたことを思い出しました。お互いに学びあえる、よい実践でした。
また、カナダの中等学校で、演劇教師と英語教師が組んで、「英語と演劇」という教科をつくり、実践していたことも思い出しました。他の中等学校に、広く普及することはなかったようですが。
それから、テキストには、「ホール・ランゲージの教師は、トピックやテーマにそって、教育課程の全体や大きな部分を構成する。単元は、探求、言語の使用、認識の発達の焦点となる」とありました。
首藤先生いはく、「単元は、30分でも、1時間でもいい。形からはいらずに、日常から生まれるものも、大事。個別テーマ単元学習でもいいのでは」ということでした。
カナダのある教育委員会で、「初等学校のテーマ単元学習のリソース・リストがある」と聞いたことを思い出しました。「よく取りあげられるテーマで、学習指導案や参考図書、見学や遠足の候補地などを、まとめたもの」だそうです。
実際私も、「日本というテーマのリソース・リストに、連絡先をくわえてもいいか」と依頼され、ゲスト講師として授業に参加したことがあります。30分の質問タイムでしたが、「日本の新幹線は、速いのか」「みんな、折り紙や書道をやっているのか」「忍者は、まだいるのか」といったことを、訊かれました。
最後の話しあいでは、「おにぎりタイムを提案して、生徒会長になった中学生」といった、現場の先生ならではの体験の共有もあり、面白かったです。
楽しい学びの時間でした。