すこし前ですが、宇佐見りんの小説、『推し、燃ゆ』(2020年、河出書房新社)を読みました。
著者は、1999年、静岡県生まれ、神奈川県育ち。現在大学生、21歳。2019年、『かか』で第56回文藝賞、史上最年少で第33回三島由紀夫賞を受賞。2021年、『推し、燃ゆ』で第164回芥川賞を受賞ということです。
『文藝春秋』で読んでもよかったのですが、装丁されたハードカバーで読みたくて、図書館にリクエストしたら、借りられるまで、6か月くらい待ちました。
「逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し―」という、ストーリーです。
秋の夜長に、一気に読みました。若くして芥川賞をとった、金谷ひとみや綿矢りさとも比較されますが、この2人よりも、文章は洗練されていて、文学性は高い気がします。
もう30年前、文藝賞や文学界新人賞、芥川賞を目指して、原稿用紙に小説を書いていた頃を思い出しました。ひさしぶりの純文学小説でした。