村田沙耶香の小説、『コンビニ人間』(2016年、文藝春秋)を読みました。
第155回芥川賞受賞作です。(図書館にリクエストしてから、借りられるまで、6か月くらい待ちました)。「著者は、人気作家となった現在も、コンビニで週3回、アルバイトを続けている」ということで、話題になりました。
私は、コンビニでアルバイトをしたことはありませんが、コンビニで買い物をするのは大好きなので、期待して読みはじめました。
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが・・・というようなストーリーです。
読みやすく、面白かったです。コンビニの裏側についても、知ることができたし、「現代において、普通とはなにか」について、考えさせられました。
それにしても、ひさしぶりの小説でした。1年前に読んだ、平田オリザの『幕が上がる』以来かもしれません。
小説を読んでも、新しい知識や技術は、ほとんど身につきません。時間をかけても、お金にもなりません。それでも小説を読むのは、すこしの間でも現実から離れて、想像の世界を生きたいからかなあと思いました。