『あり金は全部使え』

投稿者: | 2020年3月7日

堀江貴文のビジネス書、『あり金は全部使え-貯めるバカほど貧しくなる』(2019年、マガジンハウス)を、読みました。

書店に平積みになっていて、タイトルや帯が挑発的で、興味を持っていました。昨年の7月に購入して読みはじめ、読み終わるまでに5か月かかりました。

堀江貴文の著書は、『稼ぐが勝ち』『ゼロ』『多動力』を、読んだことがあります。ただ、ちょっと言葉遣いが雑で、本も粗製乱造の気配があり、ファンというわけではありません。

著者は、1972年、福岡県生まれ。SNS media & consulting 株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」のプロデュースを手掛けるなど、幅広く活動を展開ということです。

宣伝文では、「成功、人脈、情報、周囲の援助、充実感、幸福感 etc。すべては、お金を使うほどに高まる!最強の人生を拓く絶対ルールを、40の項目にまとめて紹介!堀江貴文哲学、究極の集大成!」と書かれています。

前書きには、「あり金をすべて使うつもりで、やるべきことをしよう。そうすれば、お金に使われ続けるマインドからは、きっと脱出できる」とありました。

たしかに日本には、「コツコツとお金を貯めること」を美徳とする、「貯金信仰」があります。

それに対して、「お金を自分に投資すること」の意義を教えてくれたのは、鳥居祐一でした。最近では、内藤忍も、「50歳を過ぎたら、お金をどう貯めるかだけでなく、どう使うかも考えていくべきだ」というような話を、ブログに書いていました。

そういう意味で、著者の総論には、賛成です。

ただ、ワタナベ薫のブログで、「私の周囲で、自己啓発にはまって、会社を辞め、貯金をセミナーや情報商材に使って、自己破産寸前になった人を、複数見てきた」というような話を読みました。そういう危険はあると思います。

本のなかから、共感した項目。「家を買うな」、「貸し金は捨て金と知れ」、「高くても都心に住め」、「ジムに行け」、「思考の筋トレを怠るな」、「オシャレに気を配れ」。

共感が難しかった項目。「タクシーを使え」、「行列に並ぶバカになるな」、「昼から迷わずうな重を食え」。

考え中の項目。「スマホは最高スペックにこだわれ」、「欲しいモノはすぐに買え」。