「言語教育研究会」 第41回研究会

投稿者: | 2022年8月29日

8月21日は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第41回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。

ZOOM での開催。参加者は9人。新しい参加者は、いませんでした。

最初に、近況報告。私は、ちょっと遅れてはいったのですが、夏休みの読書感想文の是非について、話が盛りあがったようです。ちなみに首藤先生は、「僕は、夏休みの宿題、全廃論者。感想を言わない自由、書かない自由もあると思う」ということでした。

次に、テキストの35ページを読みました。「とくに(アメリカの)初等学校では、書くことの指導は、あまりされてこなかった。スペリングと手書きの指導くらいだった」、「しかし、ドナルド・グレイブズ(アメリカの書きかた教育の研究者)と彼の仲間の影響もあって、初等学校でも、ホリスティックなやりかたで、思慮深く書くことが、おこなわれはじめている」とのこと。

首藤先生いはく、「日本の作文教育、綴り方の歴史や実践に、驚く外国人は多い」、「日本語に、ひらがながあったのも、日本で、作文教育が盛んにおこなわれた理由のひとつ」

「欧米では、中等学校で、レポートや論文の書きかたの指導がある。これも、日本とのちがい」。「日本の作文教育では、芦田恵之助(随意選題論)と友納友次郎(課題主義)による、立会い講演会が有名」ということでした。

そういえば、千葉県の小学校で、首藤先生(個に寄りそう指導)と向山洋一(法則化運動)による、立会い講演会があって、聴きにいったことがあります。「いま、教育技術の法則化運動は、どうなっているのだろう」と訊いてみると、

現場の先生いはく、「一時期よりは、いわれなくなったような」、「それでも、TOSS(Teacher’s Organization of Skill Sharing)ランドのホームページを見て、教材研究のヒントを探る、小学校の先生は多い」など、感想が出ました。

また、質疑応答では、「ICT(Information and Communication Technology)教育やタブレットの使用」に関する話しあいが、ありました。「タブレットは面白いし、系統的」、「ドリルをするのには、適している」、「ただ、あとに残っていない場合もある」、「ICT教育やタブレットが問題なのではなく、使いかたが問題」といった意見がでました。

楽しい学びの時間でした。