ちょっと前ですが、村上世彰の『生涯投資家』(2017年、文藝春秋)を読みました。最近、投資に興味をもっていて、図書館から借りてきて、読みました。
著者は、「M&Aコンサルティングを核とする村上ファンドを創設した人物。大学卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省し公務員として約16年勤務する中で、日本経済の永続的な成長のためにはコーポレート・ガバナンスが大切であることを実感し、自らがプレーヤーとなって変えていこうと決意して40歳を目前にファンドを立ち上げる。
現金や遊休優良資産を抱えていながら有効活用していない上場会社の株式を取得し、日本の株主の多くが経営関与には消極的な中で、積極的に株主提案を行い企業価値の向上を計り、株主を軽視する経営者に対しては株主総会などで経営陣を批判・叱咤することなどから、「もの言う株主」として注目を集めた」ということです。
「本書は、村上氏の最初にして最後の著書であり、半生記であり、投資理念の解説書でもある。灘高―東大法―通産省を歩んだエリートがなぜ投資の世界に飛び込み、いったい何を試みたのか。ニッポン放送、阪神鉄道、東京スタイルなどへの投資において、いったい何があったのか。
その投資哲学、日本企業、日本の経営者たちへの見方はどうなのか。そして今後何をしようとしているのか。村上ファンドを率いて日本に旋風を巻き起こした著者が、その実像と思いを自ら書き上げた話題作」とのこと。
読みやすい文章で、2日で読みました。面白かったです。
これまでは、私は著者のことを、グリーンメーラー(保有した株式の影響力をもとに、その発行会社や関係者に対して高値での引取りを要求する者)と思っていました。
ただ、そう単純なものではないことが、わかりました。いまは、「ルール違反をしたのかもしれないが、この人は日本の会社経営を、ある意味、よい方向に動かしたのでは」と思っています。