「言語教育研究会」 第31回研究会

投稿者: | 2021年2月13日

かなり前ですが、昨年の12月20日は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第31回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。

ZOOM で開催する研究会としては、2回目となります。

参加者は7人。新しい参加者は、千葉市の中学校の英語の先生でした。

最初に、自己紹介と近況報告。首藤先生は、「いま、複数の知育教材とICT教材の準備をしている。でも、1日に1時間は、散歩をしていて、元気」ということでした。

次に、テキストの30-31ページを読みました。「教育課程の視点」というなかの「融合(インテグレーション)」という段落でした。いくつか引用すると、

「言語が丸ごとで自然なとき、もっともよく簡単に学習されるとすると、言語の発達と言語をとおしての学習、融合は大事な考えとなる。実際、言語の発達と内容は、2重のカリキュラムとなる」

「例えば、子どもたちが、地域について学習したり、ロイド・アリグザンダ(アメリカの児童文学作家)の作品の単元学習に取り組んだり、ネズミについて科学的に調べたり、10進法や小数の意識を発達させたりするのは、読み書き聞き話す、実の場ととなる」

「2重のカリキュラム(内容と言語の学習は、同時に起こる)」という考えは、なるほどなあと思いました。とくに、小学校段階までは、そうだと思います。また、学校、家庭、地域での学習は、無理に分けなくてもいいのかもと考えました。

それから、質疑応答では、評価について、話しあいました。首藤先生いはく、「評価を細かくつくると、単元学習のダイナミズムが、失われることがある」、「だから、評価基準をつくったら、忘れましょう。そして、ぼーっとすると、子どもが見えてくる」

「評価は、全体印象も大切」、「入学試験などの選別の評価と、学習の評価はちがう。どちらも大事」ということでした。

その他、大村はまの言葉、「教師の仕事は、氷山の上ではなく、下をつくっていくもの」というのも、印象に残りました。

楽しい学びの時間でした。