8月27日は、国立劇場で開催された、第27回全国高校総合文化祭優秀校東京公演(1日目)の演劇部門を、見てきました。
私にとっては、夏の終わりの風物詩です。前売り入場券の発売は、アメリカの調査の出発日で、とれなかったのですが、追加販売のチケットは、コンビニでしっかりとりました。(ちなみに、無料です)。
半蔵門の国立劇場に着いたのは、午後3時頃。開幕まで時間があったので、お茶席で、抹茶とお菓子をいただいたりしました。
割り当てられたのは、3階席。(ここ数年は、演劇公演の前に、座席指定が解除されたのですが、今年から変わったようです)。
最初は、青森県立青森中央高校の『アメイジング・グレイス』(畑澤聖悟の脚本)でした。東京公演の常連校です。さすがという出来でした。
大道具や録音した音楽は、ありません。小道具は、赤白のTシャツと、鬼の角。そのシンプルさのなか、生徒たちは、人間の島と鬼の島を、行き来します。最初は、教室のなかのいじめを描いていたのですが、それが国を超えた戦争へと広がっていきました。
最後は、今年の高校総合文化祭の開催された広島を意識した終わりかた。すごいです。
次は、静岡県立伊東高校の『幕が上がらない』でした。幕が開いた舞台を使わず、幕の前、客席や通路で、生徒たちが演じます。交わされる会話は、高校生のそれを、多少自虐的にしたもの。伊東高校の生徒だから、演じられるものです。
「このような演出も、面白い」「このような作品を選ぶ審査委員も、度量が大きい」とは思ったのですが、なにかもったいないような気がしました。
現在の劇場の設計は、多くの観客が演劇を楽しめるように、工夫して作ってきたものです。それを利用しないのは、損だと思います。3階席で、何人かの生徒の姿や声が遠かったのも、原因かもしれません。
ともあれ、楽しい午後でした。「招待席」と書かれた座席を見ながら、「内木文英先生といっしょに座って見たなあ」と、ちょっと感傷的にもなりましたが・・・。