テレビで録画しておいた演劇、『元禄港歌-千年の恋の森-』を見ました。「蜷川幸雄・追悼」ということです。
原作は、秋元松代。演出は、蜷川幸雄。音楽は、猪俣公章。劇中歌は、美空ひばり。衣裳は、辻村寿三郎。美術は、朝倉摂。重厚なスタッフです。
市川猿之助、宮沢りえ、高橋一生、鈴木杏、市川猿弥、新橋耐子、段田安則と、キャストも豪華です。
設定は、活気溢れる元禄の時代。大店筑前屋を舞台に、結ばれない男女、哀しい秘密を背負った親子の物語です。歌舞伎のような話の展開と、現代の商業演劇の演出が、融合したような舞台でした。心に沁みました。
実は、蜷川幸雄の演出による演劇公演を見るのは、はじめてです。
(「演劇教育を研究しています」というと、「たくさん、演劇公演を見ているのでしょう」という印象をもつ人がいますが、そうではありません。東京で、人気のある商業演劇公演を見ると、交通費を含めて、1万円を超えます。気軽にいけるものではありません)。
蜷川幸雄の演出の特徴、「幕開け3分で観客を惹きつける演出」、「視覚に訴える、きれいな舞台」、「群衆が集まるシーン」などは、こういうものかと、納得しました。『王女メディア』とか、『NINAGAWA マクベス』とか、生で見たかったなあと思います。