一昨日(7月24日)は、「日本演劇学会 分科会 演劇と教育研究会」の7月研究会に、ZOOMで参加しました。この研究会への参加は、2017年10月に、飛田勘文君と共同で、研究発表をして以来。ほぼ5年ぶりです。参加者は、23人。
定期総会の後、鎌田麻衣子(東京学芸大学)の博士論文発表会、「役を演じることによる自己認識と社会認識の変容プロセス-高校生の『自己の動揺』に着目した青年期の演劇教育」がありました。
「本研究の目的は、青年期の高校生の役を演じることでの自己の動揺に着目し、そのことでどのように自己認識と社会認識を変容させるのか、そしてそれは青年期の彼らにとってどのような意味があるのかを明らかにすることである」ということでした。
エリクソンの心理社会的発達理論、スタニスラフスキー演技理論などを援用しながら、質的方法でおこなった研究でした。先行文献研究、データを集めるための倫理規定など、きちんとプロセスを踏んでおこなった研究です。
スタニスラフスキーの演技理論は、ずいぶん前に日本に紹介され、注目を集めたようですが、それを教育の場に用いて、科学的検証をした文献は、知りません。その面で、オリジナリティもあります。
発表後の質問で、「青年期の高校生の役を演じることによる変容を、研究者が実際に体験したのか」と、訊いてみました。「自分が体験したというよりも、総合学科高校や私立の高校おいて演劇の授業を担当しているなかで、それに気づくようになった」ということでした。
たしか、研究者は修士論文で、スタニスラフスキー演技理論を扱っていると聞いたので、それを含めて、「どうして、スタニスラフスキー演技理論を援用したのか」など、読みやすい本にして出版すれば面白いかもと、思いました。
それにしても、ひさしぶりに研究発表を、聴きました。私も、やり残した研究の発表をしないとなあと思いました。