トマス・J・スタンリー&ウィリアム・D・ダンコ(著)、斎藤聖美(訳)の『となりの億万長者-成功する7つの法則』(1997年、早川書房)を読みました。
丸の内の丸善で見つけたものです。「ちょっと古いかな。データも、アメリカのものだしな」と躊躇したのですが、「20版発行」と書いてあったので、「ロングセラーになるには、それなりの理由があるのだろう」と考え、買いました。
2人の著者は、ニューヨークの大学で教えていた研究者。企業へのコンサルティング、メディアへの出演もしていたようです。1日1章ずつ、読んでいって、2週間ちょっとで、読み終えました。
「億万長者とは、実際どんな人々なのか」というテーマのもと、1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートをして、彼らの資産や年収、職業、消費行動のタイプを、徹底的に調査したそうです。
結果は、「彼らのほとんどは、ありふれた職業と家庭をもつ、『普通の人々』だった」ということ。ある億万長者の夫人のエピソードが、印象的です。
「自分で起こした会社を上場にこぎつけた億万長者が、ある朝、800万ドル相当の株を妻に分け与えることを告げた。31年間連れ添った妻は『ありがとう。とても感謝しているわ。ほんとうよ』とにっこりした。だが、キッチンのテーブルに座り、『このクーポンで25セント引き!』とか『50セント割引券』などと書かれた新聞広告を1枚1枚切り取る手は片時も休めなかった。土曜の朝の重要な仕事をそう簡単に中断するわけにはいかない、というわけだ」
あと、興味深かったのは、「高額所得者」が、必ずしも「資産家」ではないということです。はいってくるものをすべて使ってしまえば、お金は残らないということでした。