日本演劇教育連盟編集の機関誌、『演劇と教育』の第683号(2016年4月号、晩成書房)を、読みました。特集は、「劇をイキイキさせるには」。
生き生きとした劇づくりをするための工夫(台本選び、キャスティング、練習、演出、本番)について、3つの実践記録が載っていました。
私は、トロント留学時代、トロント国語教室(トロント市教育委員会日本語クラス)で、小学校6年生に、日本語を教えていたことがあります。この学校では、学芸会と運動会が、大切な行事でした。
学芸会では、演劇やダンスが人気です。私も演劇を選んだのですが、脚本が簡単に手にはいるわけもなく、私自身が脚本を書くことになりました。題名は、「昔の日本、いまの日本」。クラスは、10人ほどだったので、全員舞台にあげて、台詞を与えました。
脚本を書くさいに心掛けたのは、子どもたちの作文をとおして得た、彼らの興味関心、知識、生活を、できるだけ取りいれることでした。また、歌(グループ・サウンズの曲、「北国の春」)、ダンス(「炭坑節」、TRFの曲)も、組みいれました。
演出は、大きな身体表現を押しつけず、1歩前に出て、台詞を言うように指導しました。衣装は、保護者が用意してくれた、はっぴ。大道具、小道具はなし。
結果として、劇発表は好評でした。シニアホームで開催したのですが、大きな拍手をいただきました。「無理をせず、子どもたちに寄り添って、つくったのがよかったのかなあ」と思います。