「言語教育研究会」 第30回研究会

投稿者: | 2020年10月19日

昨日は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第30回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。

前回は、昨年12月21日。コロナ危機の関係で、10か月休会していましたが、今回、ZOOM で開催してみることにしました。

参加者は7人。新しい参加者は、ベネッセやZ会ソリューションズで、首藤先生とともに、書籍や教材ををつくってきた方でした。

最初に、自己紹介と近況報告。首藤先生は、「いま、『漢字図鑑(ICT教材)』をつくっている。外には出ていないが、毎日が仕事で、元気」ということでした。

次に、休憩をはさみながら、テキストの29-30ページを読みました。「教えるという視点」についてでした。いくつか引用すると、

「ホールランゲージの教師は、学習を、ガイドして、サポートして、観察して、勇気づけ、支援することに、確信を持っている。それは、学習をコントロールすることではない」

「ホールランゲージの教師は、学習者の成長のため、期待して、計画する。ただ、結果の恣意的な基準を、押しつけることはしない」ということです。

質疑応答では、「ある程度、学習をコントロールすることは、必要ではないか」、「教えることと、支援することの、バランスが大切では」といった意見がでました。

私の専門の演劇教育でも、最近は、「ドラマ・ティーチャー」、「ティーチング・アーティスト」といった肩書でなく、「ファシリテーター(演劇教育支援者)」という肩書を使う人が増えています。

おそらく、「自分の仕事は、芸術をとおして、参加者の気づきや学びを、支援すること。それは、ある目標のために、なにかを教えこむことではない」という考えにもとづいていると推測するのですが、根づくのかなあと思っています。

その他、首藤先生いはく、「学習者のそれぞれの小道(Path)というのは、詩的な表現だね」、「真(Authentic)の評価は、たぶん心のなかだけに、起こるもの」ということでした。日本学術会議や岡部耕大(演出家)の話題もでました。

また、ZOOMによる初めての研究会でしたが、「語りあうことで、触発される」という感想が、複数出ました。「やって、よかったな」と思いました。

楽しい学びの時間でした。