ちょっと前ですが、9月17日は、「アシテジ未来ミーティング」の第2回がありました。第20回アシテジ世界大会 /2020国際子どもと舞台芸術・未来フェスティバルの広報戦略チームの主催で、来年3月の開催に向けて、情報共有、意見交換、未来への提案をしていこうというものです。
月に2回、ZOOMで、ゲストを呼んで話してもらい、質疑応答もする。誰でも参加できる、無料の学習会です。
今回の参加者は、アシテジ世界大会・未来フェスティバルの関係者、子ども劇場・おやこ劇場の関係者など、80-90人でした。
ゲストは、高坂諭さん(一般社団法人アート企画ひだまり代表)、清水忠さん(元・子ども劇場おやこ劇場全国連絡会事務局)。テーマは、「子どもの文化の歴史を知る」。
事前に、1903年から現在まで、6つのコラム(社会、児童演劇、子どもの文化、学校・教育、国の文化政策、劇場)にわたって書かれた、7ページの年表が、配布されました。
これはちょっと大変そうだと思ったのですが、ゲストのトーク(それぞれ、30分ほど)は、ライフ・ヒストリーに、さまざまなエピソードを交えたもので、わかりやすかったです。
高坂さんは、1985年の佐渡大祭典(第1回全日本子どものための舞台芸術大祭典。児童青少年舞台芸術フェスティバルとともに、国際シンポジウムなども開かれた)を中心に話されました。
「33300人が参加した。島に伝わる文化の体験企画などもあった。未来を切り開いたイベントだった。ただ、宿泊などの準備は大変だった。決算報告も出せなかった」とのこと。
清水さんは、「1966年以後、福岡から全国に広がった、子ども劇場・おやこ劇場の歴史について」、自分のかかわりを中心に話されました。
「公共の役割を明確にして、文化政策への提言もおこなった。間接体験(鑑賞)だけでなく、直接体験(表現)にも踏みこんだ。創造団体との協同(児童演劇専門人の育成、学校への広報、劇団との合意書など)もおこなった。前例のない、前のめりな時代だった」ということ。
「子供ではなく、子どもへ」、「私の子どもから、私たちの子どもへ」、「おしゃべりは、文化」といったフレーズも、印象に残りました。
後半の1時間は、質疑応答。佐渡大祭典以後の創造団体と子ども劇場・おやこ劇場の関係について、質問がありました。「1985年以後、芸術文化振興基金の助成から、文化団体が外されたりして、子どもと芸術がすこしづつ分かれていった。残念な時代だった」ということでした。
ゲストの2人とも、エピソードが溢れだすかんじで、「若い劇団員にも、聴かせたい」、「このテーマで、もう1回やりたい」という感想がでました。興味深い学習会でした。