『おじいちゃんの口笛』

投稿者: | 2020年9月25日

9月23日、池袋駅近くにある、シアターグリーンで、東京演劇アンサンブル・こどもの劇場(入江洋佑追悼公演)、『おじいちゃんの口笛』を見てきました。私にとって、ほぼ1年ぶりの生の舞台鑑賞です。

東京演劇アンサンブルの公演は、『ミラー』(2016年)、『クラチカット』(2019年)を見たことがあります。「ブレヒトの芝居小屋」(稽古場・劇場)での公演でした。

今回の公演は、スウェーデンの人気作家ウルフ・スタルクの代表作で、毎年クリスマスには、スウェーデンでドラマが放送されているという人気作品ということ。

制作の太田あきらさんいはく、「この作品は、2002年に僕自身が、文化庁の在外研修でスウェーデンに行くきっかけになった作品です。日本とは違う、子どもも大人も、一人の人間の生き方を国が尊重するという国、そんな国から生まれる児童文学や、舞台芸術にあこがれ、短期間ではありますが、ストックホルムとイェーテボリに行きました」ということ。

開演15分前に劇場にはいったら、指定席で、舞台から3列目の席でした。

ストーリーは、「ある日ベッラは、ウルフのおじいちゃんの話を聞いて、自分もおじいちゃんがほしくなってしまった。そこで、おじいちゃんがたくさんいる老人ホームに向かい、そこで、ニルスというおじいちゃんと出会った。『ぼくのおじいちゃんになってくれませんか?』」

「その日から、ニルスとベッラは、おじいちゃんと孫になった。おじいちゃんは孫ができたことを喜び、ベッラも初めて出会うおじいちゃんを探検する。食堂でコーヒーをごちそうになったり、おこづかいをもらったり、とても高級なハンカチを使って凧上げをしたり、そして口笛の吹き方を教えてもらったり」

シンプルなセット、すくない俳優で、淡々と話は進んでいきます。ただ、ひとつひとつの出来事が、心にしみます。ハイライトは、おじいちゃんのための真夜中の誕生日パーティー。

見終わって、私をかわいがってくれた、いまは亡き2人のおじいちゃんに、会いたくなりました。

『ミラー』や『クラチカット』とは、ずいぶん異なる翻訳劇で、劇団の幅の広さを感じました。俳優、演出、小道具、音楽、どれもよかったです。そして、「生の舞台はいいなあ」と思いました。