「言語教育研究会」 第33回研究会

投稿者: | 2021年5月30日

かなり前ですが、4月18日は、「言語教育研究会(ケネス・グッドマン原書講読会)」の第33回研究会がありました。千葉大学名誉教授の首藤久義先生を囲んで、Kenneth Goodman の『What’s Whole in Whole Language?』を読んでいく研究会です。

ZOOM での開催。参加者は10人。新しい参加者は、いませんでした。

最初に、自己紹介と近況報告。4月から、大学で非常勤講師として教えはじめたり、生徒数700人を超える大規模な中学校の教頭先生になったり、環境が変わった方もいました。首藤先生は、「絵本なんだけれども遊べる、押しつけない、詰めこまない、世界でどこにもない絵本を出版した」ということです。

次に、テキストの30-31ページを読みました。「教育課程の視点」というなかの「融合(インテグレーション)」という段落の続きでした。いくつか引用すると、

「子どもたちは、必要に応じて、言葉を使う」、「融合は、ホール・ランゲージの教育課程の中心的なテーマである」ということでした。

テキストに、「Manipulatives」という単語がでてきて、英和辞書では、「操作性」と書いてあるのですが、どうもしっくりときません。英語の得意な参加者の方の機転で、英語の論文のページで検索をしたら、「具体的教材、学習用具」という使用例がでてきました。数人で学習すると、こういうことができます。

それから、質疑応答では、「ホール・ランゲージの教育課程では、全部が同時に学ばれるというが、評価はどうするのか」という質問が出て、前回に続いて、評価について、話しあいました。首藤先生いはく、「目標も、評価も、見えるものではない。子どもの満足と教師の評価は、ちがうこともある。人間としての感動を忘れずに、ひとりひとりを見ることが大事」

参加者からは、「700人も生徒がいて、2人で授業を担当していたりすると、評価について、共通理解が必要になる」、「観点別評価が変わり、時間がかかるようになった」、「千葉県では、評価が高校入試でも使われるため、教員は慎重にならざるをえない」といった発言が出ました。

「単元ごとの観点別評価、ペーパーテストでの総合評価など、時間を割いて、きちんとやっている教員は多い」といった報告もありました。気がついたら、終了時間を、1時間15分もオーバーしていました。

カナダのオンタリオ教育研究所・トロント大学大学院の授業で、ディヴィッド・ブース先生が、「なんらかのかたちで、授業に関わっていれば、全員に、Aの評価をあげればいい」といっていたことを、思い出しました。

また、麗澤大学の授業で、相対評価で出さなければならないクラスがあり、苦労したことも思い出しました。

楽しい学びの時間でした。